労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件名  久留米大学 
事件番号  福岡地労委 昭和61年(不)第15号 
申立人  久留米大学教職員組合 
被申立人  学校法人 久留米大学 
命令年月日  昭和63年 8月24日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  大学が、(1)組合のワッペン着用通告に対し、警告書を発し、昇給延伸を示唆する言動をしたこと、(2)学内放送設備を使用する組合関係の放送を制限したこと、(3)組合脱退者のチェック・オフを一方的に中止したことが争われた事件で、(1)及び(3)はかかる支配介入行為をしてはならない旨を命じ、(2)については棄却(一部却下)した。 
命令主文  主   文
1 被申立人が、申立人組合のワッペン着用による争議行為通告に対し、勤務時間中のワッペン着用は違法でありこれに参加した組合員については昇給延伸も検討すると発言したこと及びワッペン闘争を行わないよう申立人組合に対して文書警告を行ったことは申立人組合に対する支配介入であるので、被申立人は、このような行為をしてはならない。
2 被申立人は、申立人組合の脱退者について申立人組合からの通知又は申立人組合への事前連絡なくして、一方的にチェックオフを中止してはならない。
3 被申立人が昭和60年4月24日及び同年7月10日に申立人組合の組合放送の内容に関し制限を行ったとする申立人の申立ては、これを却下する。
4 その余の申し立てはいずれもこれを棄却する。 
判定の要旨  0420 その他の争議行為
 組合が計画したワッペン闘争は、色、形状、記載する内容、実施場所等からみて、その計画内容においてとくに適切を欠くところはなく、社会通念上容認された範囲内のもので、争議行為として正当性を有するとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
 被申立人が組合のワッペン闘争通告に対し、着用者に対する昇給延伸を示唆し、組合に警告書を発する等一連の対抗措置は威嚇行為と評価すべきであり、支配介入であるとされた例。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
3020 組合活動への制約
 会議中であること及び理事長が不在であることを理由に、組合の申入れた学内放送設備の利用を拒否したことが支配介入といえないとされた例。

2800 各種便宜供与の廃止・拒否
 組合脱退者について組合に連絡することなく一方的にチェック・オフを中止したことは、チェック・オフ協定上の義務に反する支配介入であるとされた例。

4825 その他
 組合の組合員のうち婦長、課長、課長補佐の職にある者はその職位及び職務上の権限からみて法2条但書1号に該当しないので、組合は申立人適格を有するとされた例。

5201 継続する行為
 組合の申し入れた学内放送設備の利用を大学が制限したことをもって継続する行為に当たらないとされた例。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集84集163頁 
評釈等情報  労働経済判例速報 平成1年3月20日 1349号 8頁 

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約306KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。