概要情報
事件名 |
旭台幼稚園 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和62年(不)第5号
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申立人 |
神奈川私学教職員組合連合 |
被申立人 |
Y1 |
被申立人 |
Y2 |
命令年月日 |
昭和63年 7月25日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
幼稚園経営者が、(1)幼稚園の廃園宣言を受けたため自主運営を行った組合員8名を解雇したこと、(2)解雇問題及び廃園問題に関する組合からの団交申入れに応じなかったことが争われた事件で、(1)について原職復帰及びバックペイ(年5分加算)、(2)について原職復帰問題に係る団交応諾及びこれらに関するポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人組合に所属する組合員X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7、同X8に対し、次の措置を含め、昭和62年1月14日以降同人らが解雇されなかったと同様の状態を回復させなければならない。 (1) 原職に復帰させること。 (2) 昭和62年1月14日から復職までの間、同人らが受けるはずであった賃金相当額に年5分の割合による金員を加算して同人らに支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人組合に所属する組合員らの原職復帰に伴う諸問題について、誠意をもって、これに応じなければならない。 3 被申立人は、本命令後速やかに、下記内容の誓約書を申立人に対して手交するとともに、縦1メートル、横2メートルの白色木板に、楷書で墨書し、上記旭台幼稚園の正門前の見易い場所に、破損、汚損することなく、10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 貴組合員X1、同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7、同X8に対する昭和62年1月5日付け解雇及び同月14日付け解雇は、神奈川県地方労働委員会が今般認定いたしましたとおり、貴組合及び上記貴組合員らに対する労働組合法第7条第1号・第3号違反の不当労働行為でありました。 また、上記解雇問題並びに廃園問題に関し、貴組合からの度重なる団体交渉申し入れ、なかんずく昭和62年2月9日付けの団体交渉申し入れに応じなかったことは、同地方労働委員会が今般認定いたしましたとおり、貴組合に対する労働組合法第7条第2号違反の不当労働行為でありました。よって、私達は、貴組合並びに貴組合員らに対し、上記行為につき深く陳謝するとともに、上記貴組合員らに対する解雇を取消し、原職に復帰させ、あわせて上記問題に関する団体交渉に誠意をもって応じるとともに、将来に亙りかかる行為を行わないよう誓約いたします。 昭和 年 月 日 旭台幼稚園経営者 Y1 Y2 神奈川私学教職員組合連合 執行委員長 X9 殿 |
判定の要旨 |
1800 会社解散・事業閉鎖
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
旭台幼稚園の経営者である被申立人Y1らが、幼稚園の廃園を宣言し、組合員に解雇通告を発し、更に、懲戒解雇の予告通知を行ったことが不当労働行為であるとされた例。
2242 回答なし
経営者の廃園宣言又は職員の解雇問題に関する組合からの団交要求について無視又は不誠実な態度を取り続けたことが7条2号に当たる行為であるとされた例。
4402 企業閉鎖・偽装解散と救済
経営者から廃園届けが提出されているが、いまだ受理されておらず、他方、幼稚園は、父母等を中心に自主運営されていることから、解雇を取消し、原職に復帰させることが相当であるとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集99頁 |
評釈等情報 |
 
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