概要情報
事件名 |
明輝製作所 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和62年(不)第44号
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申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方本部 |
被申立人 |
株式会社 明輝製作所 |
命令年月日 |
昭和63年 7月18日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)従業員に組合のビラを受け取らないようにさせる等の宣伝活動を妨害したこと、(2)業務部長に朝礼で組合を誹謗中傷する発言をさせたこと、(3)申立組合とは事業所内では団体交渉は行わないとして別組合と差別扱いしたことが争われた事件で、(1)宣伝活動を妨害しないこと、(2)事業所内での団交を拒否しないこと及びこれらに関するポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人が従業員の理解と支持を求めるために被申立人の工場門前で行う宣伝活動に対し、従業員に申立人のビラを受け取らないようにさせるなどの妨害をしてはならない。 2 被申立人は、昭和62年3月25日の朝礼において、Y1業務部長が申立人を誹謗中傷する発言をしたことを撤回するとともに、今後申立人を誹謗中傷する発言をしてはならない。 3 被申立人は、申立人が団体交渉を明輝製作所大和工場内で開催するよう求めた場合にはこれを拒否してはならない。 4 被申立人は、次の文書を申立人組合に手交するとともに、本命令交付の日から1週間以内に縦1メートル横2メートルの白色木板に明瞭に墨書して、被申立人会社本社、大和工場、厚木工場及び神奈川工場の正面入口の見やすい場所に、棄損することなく14日間掲示しなければならない。 陳 謝 文 会社の次の行為は、神奈川県地方労働委員会よりいずれも労働組合法第7条に該当する不当労働行為であると認定されました。会社はここに深く陳謝するとともに、今後かかる行為を再び繰り返さないことを誓約します。 1 朝礼において、貴組合に対して誹謗中傷する発言を行ったこと。 2 工場門前において、貴組合の宣伝活動を妨害したこと。 3 貴組合と事業所内では団体交渉を行わないとして、明輝製作所労働組合と差別を行ったこと。 昭和 年 月 日 総評全国一般労働組合神奈川地方本部 執行委員長 X1 殿 組 合 員 X2 殿 株式会社明輝製作所 代表取締役会長 Y2 代表取締役社長 Y3 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
会社部長の朝礼での発言は、和解の過程の一部を恣意的に従業員に知らせることで、組合に対する不信感を抱かせ、組合を誹謗中傷する支配介入であるとされた例。
3102 争議対抗手段
組合が行った工場門前での朝の宣伝活動に対し、社長の義理の弟であるY4が、ビラを受けとった従業員に対し、ビラを捨てさせるなどの行為を行ったことが支配介入であるとされた例。
2901 組合無視
会社は、別組合とは事業所内で労使協議会との名称で団交を行いながら、組合とは、一貫して事業所外で行ったことが差別扱いであるとされた例。
3422 その他の者の言動
社長の義弟のビラ配布妨害行為は、会社の意を体してなされたものであるとされた例。
4617 その他
労委は会社の不当労働行為については既に6件の命令を発しており、会社はポスト・ノーティスの却下または棄却を主張するが、本件の会社の態度にもかんがみ、陳謝文の掲示を命じることが相当であるとされた例。
5143 不出頭・所在不明・消滅・死亡・承継
会社は、本件申立てに対し、答弁書を提出し第1回調査に出席したのみで、審問に出席しなかった例。
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業種・規模 |
一般機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集84集90頁 |
評釈等情報 |
 
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