概要情報
事件名 |
田名交通 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和62年(不)第6号
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申立人 |
全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方労働組合 |
申立人 |
全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方労働組合田名交通支部 |
被申立人 |
田名交通 協業組合 |
命令年月日 |
昭和62年12月16日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
協業組合が、(1)新入社員に対して別組合への加入を勧誘したり、示唆したこと、別組合を擁護、育成する言動をなし、申立人組合を誹謗するような言動をしたこと、(2)組合員を無線車の配車や担当車両の割当てについて差別したこと、(3)支部長を出勤停止処分にしたことが争われた事件で、上記(1)及び(2)の行為の禁止、(3)の処分の取消しとバックペイ、文書掲示を命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人組合及び同支部に対し、次の行為をもって組合活動に支配介入してはならない。 (1)新入社員教育の場その他の機会において別組合への加入を勧誘したり、示唆すること。 (2)別組合を擁護、育成する言動をなし、かつ申立人組合及び同支部を誹謗するような言動をすること。 2 被申立人は、申立人支部の組合員に対して別組合の組合員と差別して、無線車の配車や担当車両の割当てをしてはならない。 3 被申立人は、支部長X1に対する、昭和62年2月19日付け出勤停止処分を取り消し、この間の賃金相当額、79,674円を支払わなければならない。 4 被申立人は、本命令を受けた後速やかに下記の文書を、縦1メートル、横 1.5メートルの白色木板に明瞭に墨書し、被申立人の事務所入口の従業員の見やすい場所に、1週間掲示しなければならない。 誓 約 書 当協業組合が、貴組合及び貴支部に対してなした次の行為は、この度神奈川県地方労働委員会により、不当労働行為と認定されました。よって当協業組合は、ここに深く反省するとともに、今後再びかかる行為を繰り返さないことを誓約します。 1 新入社員に対して別組合への加入を勧誘したり、示唆したこと。別組合を擁護、育成する言動をなし、また貴組合及び貴支部を誹謗するような言動をしたこと。 2 貴支部の組合員に対して別組合の組合員と差別して、無線車の配車や担当車両の割当てをしたこと。 3 X1支部長を出勤停止処分にしたこと。 昭和 年 月 日 全国自動車交通労働組合総連合会 神奈川地方労働組合 執行委員長 X2 殿 全国自動車交通労働組合総連合会 神奈川地方労働組合田名交通支部 支 部 長 X1 殿 田名交通協業組合 代表理事 Y1 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
時間外勤務、特にその時間帯の遠距離の配車について申立人組合所属の組合員に比べ別組合員を優先扱いしたことが不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
新車について新入の運転手を申立人組合所属の組合員に比べ優先して割当てたことが不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
申立人支部の支部長X1を6日間の出勤停止処分に付したことが、会社があげる処分理由には合理性がなく不当労働行為であるとされた例。
2901 組合無視
使用者は自らの方針に近い別組合が結成されたことを受けて、その活動を擁護し、育成しようとした反面、組合及び支部を軽視したことが支配介入であるとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集82集413頁 |
評釈等情報 |
 
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