事件名 |
新興サービス |
事件番号 |
東京地労委 昭和59年(不)第77号
東京地労委 昭和59年(不)第81号
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申立人 |
総評全国金属労働組合東京地方本部 |
申立人 |
総評全国金属労働組合東京地方本部新興サービス支部 小安 裕吉
外4名 |
被申立人 |
更生会社 株式会社新興製作所管財人 |
被申立人 |
新興サービス 株式会社 |
命令年月日 |
昭和62年12月 1日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含
む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、合理化を理由に組合員5名を、主として生産部門へ配転した
こと(うち3名は主任を免ぜられた。)、同配転の拒否を理由に懲戒解雇したことが争われた事件で、配転及び懲戒解雇がなかっ
たものとしての取扱い(原職または原職相当職への復帰、バックペイ。ただし、仮処分決定に基づく既払分は控除すること。)、
解雇以後の一時金、特別勤勉手当、士気高揚のための行事経費の支払い(年5分加算)、文書掲示を命じ、いわゆる親会社に対す
る申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人新興サービス株式会社は、申立人総評全国金属労働組合
東京地方本部新興サービス支部の組合員である申立人X1、同X2、同X3、同X4、同X5に対して、次の措置を含め、昭和
59年10月25日付配転および同年11月15日付懲戒解雇がなかったと同様の状態を回復させなければならない。
(1)昭和59年10月25日付配転命令以前の原職または原職相当職に復帰させること。
(2)同年11月15日付解雇の日の翌日から上記原職または原職相当職に復帰するまでの間に同人らが受けるはずであった賃金
相当額を、東京地方裁判所における仮処分決定により既に支払い済みの金額を控除して支払うこと。
(3)解雇以後原職または原職相当職に復帰するまでの間に同人らが受けるはずであった一時金、特別勤勉手当、士気高揚のため
の行事経費について、各支払日の翌日から支払い済みに至るまで、年5分の割合による金員を付加して支払うこと。
2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記の文書を55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁
大)の白紙に明瞭に墨書して、被申立人会社本社と東京出張所および西東京出張所の従業員の見易い場所に10日間掲示しなけれ
ばならない。
記
昭和 年 月 日
総評全国金属労働組合東京地方本部
執行委員長 X6 殿
総評全国金属労働組合東京地方本部
新興サービス支部
執行委員長 X1 殿
X1 殿
X2 殿
X3 殿
X4 殿
X5 殿
新興サービス株式会社
代表取締役 Y1
当社が貴組合員であるX1、X2、X3、X4、X5各氏に対し昭和59年10月25日付で配転を命じたこと、およびこの配
転に応じないことを理由に同氏らを同年11月15日付で懲戒解雇したことはいずれも不当労働行為に該当すると東京地方労働委
員会において認定されました。
今後このような行為を繰り返さないよう留意します。
(注:年月日は掲示した日を記載すること)
3 被申立人更生会社株式会社新興製作所管財人に対する申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
組合員5名が行った指名ストは、同人らの配転の撤回を求め、あるいは会社の譲歩を引き出すことを目的としてなされたもので、
その手段において違法とはいえないとされた例。
1102 業務命令違反
新興サービスが組合員5名に対し配転を命じ、同人らがこれに応じないことを理由に懲戒解雇したことが不当労働行為であるとさ
れた例。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員5名に対する本件降格を伴う配転、異職種間あるいは遠隔地への配転が不当労働行為であるとされた例。
4407 バックペイの支払い方法
本件懲戒解雇の救済として、別件裁判所の仮処分決定に基づき支払っている月例賃金相当額を控除して支払うよう命じた例。
4413 給与上の不利益の場合
本件救済に当たり、一時金、特別勤勉手当、行事経費の支払いを命ずるのみでは十分でないので、これらに対する各支払日の翌日
から支払済まで、年5分の割合による金員を付加して支払うよう命じた例。
4913 破産管財人
更生会社の管財人は、7条の使用者とは認められないとして棄却した例。
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業種・規模 |
卸売業、小売業、飲食店 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集82集383頁 |
評釈等情報 |
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