概要情報
事件名 |
富士商運 |
事件番号 |
熊本地労委 昭和55年(不)第4号
熊本地労委 昭和55年(不)第10号
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申立人 |
総評全国一般労働組合熊本地方本部 |
被申立人 |
有限会社 富士商運 |
命令年月日 |
昭和61年 6月23日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)副分会長2名を就労拒否を理由に7日間の出勤停止処分に付したこと、(2)組合と協議中であった36協定に関し、労働者代表との間で36協定を締結したこと、(3)腕章着用者の乗務を拒否したこと、(4)過積みに関する言動を理由に、組合員1名を7日間の乗務制限処分に付したことが争われた事件で、(1)7日間の出勤停止処分がなかったものとして取扱い、その間の賃金相当額の支払い、(2)乗務拒否がなかったものとして取扱い、賃金相当額の支払い、(3)7日間の乗務制限処分がなかったものとして取扱い、賃金相当額の支払、(4)親睦会との妥結内容の固執及び上記事項に関する文書手交を命じ、36協定締結については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、X1、X2に対し行った昭和54年12月29日から昭和55年1月4日までの出勤 停止処分がなかったものとして取り扱い、出勤停止処分がなかったら得たであろう賃金相 当額を支払わなければならない。 2 被申立人は、X3に対して行った昭和55年3月15日の乗務拒否がなかったものとして取り 扱い、乗務拒否がなかったら得たであろう賃金相当額を支払わなければならない。 3 被申立人は、X4に対して行った昭和55年8月7日から同月13日までの乗務制限処分がな かったものとして取り扱い、乗務制限処分がなかったら得たであろう賃金相当額を支払わな ければならない。 4 被申立人は、申立人に対し、本命令書受領の日から7日以内に下記文書を交付しなければ ならない。 5 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0210 リボン・ワッペン等の着用
1401 労務の受領拒否
会社と組合間の腕章着用についての合意に反してなされた分会書記長に対する乗務拒否が不当労働行為とされた。
1401 労務の受領拒否
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
過積載をめぐる紛議の中の組合員X5の上司に対する言動を理由に就業規則にもない乗務制限処分に付したことは過剰な処分で不当労働行為とされた例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
就労拒否を理由に副分会長2名を7日間の出勤停止処分に付したことが、処分対象事実に照らして、著しく均衡を失した処分であり不当労働行為とされた例。
2901 組合無視
「親睦会」と賃金改定に関する交渉を行い、妥結内容を組合との交渉で固執したことが不当労働行為とされた例。
3103 労働協約締結をめぐる行為
36協定締結問題について組合と交渉中に同協定を従業員代表者との間で締結したことが支配介入とはいえないとされた例。
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業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集79集637頁 |
評釈等情報 |
 
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