労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  丸和重機建材 
事件番号  三重地労委 昭和60年(不)第1号 
三重地労委 昭和60年(不)第2号 
申立人  三重一般同盟丸和重機建材労働組合 
被申立人  有限会社 丸和重機建材 
命令年月日  昭和61年 3月29日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)実質的に同一の企業体であるM社の従業員に対しては一時金を支給しながら、会社の従業員には経営悪化を理由に支給せず、(2)団交の席上における社長の発言が争われた事件で、会社と同業種の平均支給月数により算出した一時金の支給、誓約文の手交を命じ、M社の解散等については棄却した。 
命令主文  1 被申立人有限会社丸和重機建材は、申立人三重一般同盟丸和重機建材労働組合の本件申立 時組合員全員に対し、昭和58年年末一時金、昭和59年夏期一時金及び同年年末一時金として 1人平均 676,052円を支給しなければならない。
2 被申立人有限会社丸和重機建材は、申立人組合に対し、下記の文書を命令交付の日から7 日以内に手交しなければならない。
                      記
  当社が、マルヤス株式会社を利用することにより、当社の業務量を抑制し、昭和58年年末 一時金、昭和59年賃上げや夏期・年末各一時金交渉において、経営の悪化を理由として不誠 実な回答を繰返した上、それらを支給せず、ために組合員を減少させ、組合の弱体化を招来 せしめたこと及び昭和60年6月14日に開催された団体交渉の席上、「申立てを取り下げ   ろ」、「組合を解散して、組合費を皆に還元しろ」等の発言を行ったことは、労働組合法第 7条に該当する不当労働行為であると三重県地方労働委員会で認定されました。
  ここに深く反省するとともに、今後このような行為を行わないことを固く誓約します。
                               昭和 年 月 日
   三重一般同盟丸和重機建材労働組合
    執行委員長 X1 殿
                       有限会社丸和重機建材
                        代表取締役 Y1 印
3 その余の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
被申立人会社と実質的に同一の企業体であるM社の従業員に対しては一時金を支給しながら、会社の従業員に支給しなかったことが不利益取扱いとされた。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
会社社長が団交の席上、「申立てを取り下げろ」「組合を解散して、組合費を皆に還元しろ」等と発言したことが支配介入とされた。

3105 事業廃止、工場移転・売却
会社の業務をM社に移行させながら、会社の経営状態を悪化させた上で賃上げ、一時金を支給しなかったことが支配介入とされた。

3106 その他の行為
会社が同一の経営基盤であるM社を設立し従業員の新規採用等を全てM社で行ったことは不当労働行為であるとの組合主張が認められなかった例。

4407 バックペイの支払い方法
同一の経営基盤であるM社に支給された一時金により支給するよう命じることが本旨であるが、支給基準が疎明不十分であるので、一時金の不支給に対する救済として、組合員1人当たりの平均基準内月額賃金を算定基礎額として、毎月勤労統計調査地方調査年報の県内産業別常用労働者1人当たり平均夏期及び年末賞与の支給割合(規模30人以上、運輸通信業)により算出した額を支給するよう命じた。

5008 その他
被申立人会社と実質上同一の企業体で、組合に対する支配介入に利用しM社の解散まで命じることは、労働委員会の裁量を超えるものであるとされた。

業種・規模  道路貨物運送業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集79集475頁 
評釈等情報   

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