労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  小松食品 
事件番号  長野地労委 昭和60年(不)第2号 
申立人  総評・全国一般労働組合長野地方本部 
被申立人  小松食品 株式会社 
命令年月日  昭和61年 3月28日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社が、(1)賃上げ回答について根拠を示さず、経営状況等について具体的説明を行わなかったこと、(2)組合と合意のないまま一方的に賃上げを実施したこと、(3)団交の席上、社長が上部団体役員の事実上の出席を拒否する発言をしたこと、(4)組合旗掲揚用クイを撤去したことが争われた事件で、(1)賃上げに関する団交を、具体的な根拠を示すなどして、速やかに誠意をもって行うこと、(2)組合を無視して賃上げを一方的に実施し、組合運営に支配介入しないこと、(3)これらに関する誓約書の手交及び掲示を命じ、上記(3)、(4)及び賃上げの一方的実施行為の撤回については棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、昭和60年3月13日付で申立人から要求のあった賃上げに関する事項につい  て、具体的な根拠を示すなどして、申立人と、速やかに誠意をもって団体交渉を行わなけれ ばならない。
2 被申立人は、申立人を無視して賃上げを一方的に実施し、組合運営に支配介入してはなら ない。
3 被申立人は、下記の誓約書を申立人に手交するとともに、同文を縦1m×横1.5mの白色木 板に楷書で明瞭に墨書して、被申立人事務所前の従業員の見やすい場所に、10日間掲示しな ければならない。
                      記
                   誓  約  書
  当社が行った次の行為は、長野県地方労働委員会により、不当労働行為であると認定され ました。当社は、今後このような行為を繰り返さないことを、長野県地方労働委員会の命令 により誓約いたします。
 1)昭和60年3月13日付で貴組合から要求のあった賃上げに関する事項について、具体的な   根拠を示さないなど、誠意をもって団体交渉を行わなかったこと。
 2)貴組合を無視して、同年6月5日及び同年7月5日の2度にわたり、賃上げを一方的に   実施したこと。
                              昭和  年  月  日
   総評・全国一般労働組合長野地方本部
    執行委員長 X1 殿
   総評・全国一般労働組合長野地方本部更埴支部小松食品分会
    執行委員長 X2 殿
                              小松食品株式会社
                               代表取締役 Y1
4 申立人のその余の申立てを棄却する。 
判定の要旨  2240 説明・説得の程度
賃上げに関する団交において、回答について根拠を示さず、会社の経営状況についても具体的な説明をしないことが不誠意団交とされた。

2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
社長が団交の席上、「外部の者は黙っていろ、引っ込んでいろ。」と発言したことが、上部団体役員の出席を事実上拒否したとまでは認められないとされた例。

2901 組合無視
組合との合意がないまま、2度にわたり一方的に賃上げを実施したことが支配介入にあたるとされた例。

3020 組合活動への制約
会社が組合旗掲揚用のクイを撤去したとの組合主張が斥けられた例。

4602 組合との協議を命じた例
賃上げの一方的実施行為の撤回を求めた請求に対し、誠意ある団交を命ずることで足りるとされた例。

業種・規模  食料品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集79集464頁 
評釈等情報   

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