概要情報
事件名 |
有田交通 |
事件番号 |
和歌山地労委 昭和56年(不)第1号
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申立人 |
全国自動車交通労働組合総連合会和歌山地方連合会和歌山自動車交通労働組合 |
申立人 |
全国自動車交通労働組合総連合会和歌山地方連合会和歌山自動車交通労働組合中紀分会 |
被申立人 |
有田交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和61年 3月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、誠意ある団交を行う旨の中労委和解勧告受諾後における団交において、最終的な決定権限を有しない常務を出席させたこと、団交開催予定日を何の理由も示すことなく延期したこと等が争われた事件で、団交の延期を繰り返したことを不当労働行為とし、これに関する文書の手交を命じ、中労委の和解勧告に従うこと、陳謝文の手交、掲示及び新聞紙上への掲載については棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人に対し、本命令交付の日から7日以内に下記の文書を手交しなければ ならない。 記 当社が昭和55年12月10日以降正当な理由もなく団体交渉の延期を繰り返したことは、和歌 山県地方労働委員会において、不当労働行為であると認定されました。 よって、当社は、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 昭和 年 月 日 有田交通株式会社 代表取締役 Y1 全国自動車交通労働組合総連合会和歌山地方連合会 和歌山自動車交通労働組合 執行委員長 X1 殿 全国自動車交通労働組合総連合会和歌山地方連合会 和歌山自動車交通労働組合中紀分会 分会長 X2 殿 2 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
2248 実質的権限のない交渉担当者
会社の代表者として団交に出席しているY2常務は最終的な決定権はともかく、会社を代表して団交に出席しているのであるから、交渉権限を有しないとの組合の主張は採用できないとされた。
2245 引き延ばし
団交開催予定日を設定しながら何の理由も示すことなくその団交の延期を繰り返したことが、団交拒否とされた。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
組合は、別事件について中労委が行った和解勧告(誠意ある団交の実施)に直ちに従わなければならないとの救済を求めているが、当該事件については和解が成立し、かつ、既に分離命令で救済していることから、申立てを棄却した。
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
何ら理由を示すことなく団交の延期を繰り返したことに対する救済として、誠意ある団交応諾ならびに陳謝文の手交、掲示及び新聞紙上への掲載を求めたのに対し、文書の手交で足りるとされた。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集79集430頁 |
評釈等情報 |
 
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