概要情報
事件名 |
エス・ジー・エス |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和60年(不)第1号
神奈川地労委 昭和60年(不)第14号
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申立人 |
エスジーエス労働組合 |
被申立人 |
エス・ジー・エス・ファーイースト・リミテッド |
命令年月日 |
昭和61年 1月30日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、(1)組合との協議が不十分のまま希望退職者を募集したこと、(2)団交にあたって従来の慣行に反して会社の費用で通訳を付けることを拒否したこと、交渉人員5名以内を開催の条件としたことが争われた事件で、(1)希望退職者募集及びその他の労働条件に関する団交に直ちに誠意をもって応ずること、(2)団交にあたって、会社の費用で通訳を付けることを拒否してはならないこと、交渉人員を5名以内とすることを開催の条件としてはならないこと、(3)上記に関する誓約書の掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人が昭和59年11月26日付で申し入れた希望退職者募集及びその他労働条 件に関する団体交渉に直ちに誠意をもって応じなければならない。 2 被申立人は、申立人からの団体交渉の申入れに対し、2週間以内に開催しうる日程の調整 に努めるとともに、団体交渉に当たって次の行為をしてはならない。 (1)被申立人の費用で通訳を付けることを拒否すること。 (2)申立人側の団体交渉出席人員を5名以内とすることを開催の条件とすること。 3 被申立人は、本命令書受領後速やかに、下記誓約書を縦1m×横1.2mの白色木板に読みや すい字で墨書し、神戸、東京、横浜、名古屋、小倉、高岡及び水島の各事業所内の従業員の 見やすい場所に毀損することなく、10日間掲示しなければならない。 誓 約 書 1 希望退職者募集及びその他労働条件に関する貴組合との団体交渉において (1)協議不十分のまま希望退職者募集及びその他労働条件変更の計画を従業員に公表し配布 するとともに、希望退職者募集を実施したこと。 (2)当社の方針であるとして経理内容等の具体的資料を提示せず、今後の再建計画等につい て具体的に説明しなかったこと 2 貴組合との団体交渉のもち方について (1)当社の費用で通訳をつけることを、従来の慣行に反して拒否したこと (2)貴組合の団体交渉人員を5名以内とすることを、開催の条件としたこと (3)労働協約改訂交渉については、団体交渉の開催を遅延させたばかりでなく、労働条件に 関する条項は労働協約に入れるべきではない等と主張し、これに固執したこと 以上、貴組合との団体交渉に際してとった当社の態度は、いずれも労働組合法第7条第2 号及び第3号に該当する不当労働行為であると神奈川県地方労働委員会により認定されまし た。 当社は、このことを深く反省し、今後は、誠意をもって貴組合と団体交渉を行い、再び以 上のような行為を繰り返さないことを誓約します。 昭和 年 月 日 エスジーエス労働組合 執行委員長 X1殿 エス・ジー・エス・ファーイースト・リミテッド 日本における代表者 Y1 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
3102 争議対抗手段
希望退職者募集及びその他労働条件変更の計画に関する協議不十分のまま従業員に公表するとともに希望退職者募集を実施したこと並びに経理内容等の具体的資料を提示せず、今後の再建計画等について具体的に説明しなかったことが、不当労働行為とされた例。
2211 団交ルールの先議
2213 交渉人数
3106 その他の行為
団交にあたって会社の費用で通訳をつけることを、従来の慣行に反して拒否したこと、組合の交渉人員を5名以内とすることを、開催の条件としたこと及び労働協約改訂交渉の開催を遅延させた会社の一連の措置が団交拒否とともに支配介入にも該当するとされた例。
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業種・規模 |
その他のサービス業(他に分類されないサービス業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集79集138頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 仲田信範 1986年4月25日 1142号 69頁 
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