概要情報
事件名 |
京セラ |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和59年(不)第9号
神奈川地労委 昭和59年(不)第23号
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申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方連合京セラ支部 |
被申立人 |
京セラ 株式会社 |
命令年月日 |
昭和61年 1月22日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、玉川作業所の閉鎖をめぐる諸問題について組合と誠実に団交を行わなかったこと、同作業所閉鎖を理由に組合員に対し岡谷工場への配転を命じたこと、組合員X1を休職期間満了を理由に退職扱いしたことが争われた事件で、(1)組合員に対する配転命令を撤回し、原職または原職相当職に復帰させること、復帰までの間のバック・ペイ(年5分加算)を支払うこと、(2)X1に対する退職措置を撤回し、従業員として取り扱うこと、(3)団交拒否及び上記(1)、(2)に関するポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、昭和59年7月27日付でなした申立人組合員に対する岡谷工場への配転命令を 撤回し、原職又は原職相当職に復帰させるとともに、同年8月21日から原職又は原職相当職 復帰までの間に受けるはずであった賃金に年5分相当額を加算して支払わなければならな い。 2 被申立人は、申立人組合員X1に対してなした休職期間満了による退職措置を撤回し同人 を従業員として取り扱わなければならない。 3 被申立人は、本命令受領後速やかに下記の誓約書を縦1m×横2mの白色木板に楷書で墨 書し、被申立人の本社及び玉川作業所の各正門付近の従業員の見やすい場所に、毀損するこ となく1週間掲示しなければならない。 誓 約 書 この度、当社が、玉川作業所の閉鎖をめぐる諸問題について貴組合と誠実に団体交渉を行 わなかったこと及び同作業所の閉鎖を理由として、貴組合の組合員に対して、岡谷工場へ配 転を命じたこと、並びに貴組合員のX1氏に対し休職期間満了を理由に退職扱いにしたこと は、神奈川県地方労働委員会により不当労働行為と認定されました。よって当社は、ここに 深く反省するとともに、今後かかる行為を繰り返さないことを誓約します。 昭和 年 月 日 総評全国一般労働組合神奈川地方連合京セラ支部 執行委員長 X2殿 京セラ株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
病気治療のため休職していた組合員X1に対する休職期間満了による退職扱いが不当労働行為とされた例。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
玉川作業所を閉鎖して、それに伴い組合員に対し岡谷工場への配転を命じたことが、不当労働行為とされた例。
2240 説明・説得の程度
会社は玉川作業所の閉鎖をめぐる諸問題について団交に応じているものの、同作業所を閉鎖する必然性、合理性について十分に説明せず、あくまでも会社の提案を押しつけようとする態度をとっており協議を尽くしたものとはいえないとされた例。
4401 原職復帰と他の措置を併せて命じたもの
配転命令が不当労働行為であって申立人を原職復帰させる以上、組合員が受けるはずであった賃金相当額の支払いを命ずることは、当然必要であるとして、賃金の遡及支払いを命じた。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集79集117頁 |
評釈等情報 |
 
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