概要情報
事件名 |
青松堂(三和社) |
事件番号 |
東京地労委 昭和58年(不)第41号
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申立人 |
全国印刷出版産業労働組合総連合会東京地方連合会 |
申立人 |
全国印刷出版産業労働組合総連合会東京地方連合会新宿地域分会 |
被申立人 |
有限会社 写真植字青松堂 |
被申立人 |
有限会社 写真植字三和社 |
命令年月日 |
昭和59年12月18日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
旧社を解散して組合員2名を解雇しながら、新社を設立して事業を再開し、同社において両名の就労を拒否したことが争われた事件で、新社に対し、組合員2名の原職相当職への復帰及びバック・ペイ等旧社による解雇がなかったと同様の取扱い、誓約書の手交及び労委への履行状況の報告を命じ、旧社に対する申立てについては、同社が清算結了登記を了し、法人格を消滅しているとして却下した。 |
命令主文 |
1 被申立人有限会社写真植字三和社は、申立人全国印刷出版産業労働組合総連合会東京地方連合会新宿地域分会所属の組合員X1およびX2の両名に対して、次の措置を含め、有限会社写真植字青松堂による解雇がなかったと同様に取扱わなければならない。 (1) 被申立人有限会社写真植字三和社において有限会社写真植字青松堂時代の原職に相当する業務に就かせること。その場合の労働条件は、有限会社写真植字青松堂の解散前からひきつづいているものとして取扱うこと。 (2) 両名が昭和58年6月1日から現実に就労するまでの間に受けるはずであった賃金相当額を支払うこと。 2 被申立人有限会社写真植字三和社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人両組合に手交しなければならない。 記 昭和 年 月 日 全国印刷出版産業労働組合総連合会東京地方連合会 執行委員長 X3 殿 全国印刷出版産業労働組合総連合会 東京地方連合会新宿地域分会 分 会 長 X4 殿 有限会社 写真植字三和社 代表取締役 Y1 有限会社写真植字青松堂が、解散を理由として貴地連および貴分会所属の組合員であるX1氏とX2氏を解雇したことおよび当社が、両氏を労させなかったことは、いずれも不当労働行為であると、東京都地方労働委員会において認定されました。今後、このようなことをくり返さないよう留意いたします。(注、年月日は手交した日を記載すること。) 3 被申立人有限会社写真植字三和社は、前記第1項および第2項を履行したときはすみやかに、当委員会に文書で報告しなければならない。 4 被申立人有限会社写真植字青松堂に対する申立ては却下する。 |
判定の要旨 |
1700 偽装解散
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
旧社の解散と新社の設立とは分会員2名を排除するための一連の措置であり、旧社が両名を解雇し、新社が両名の就労を拒んでいることが不当労働行為であるとされた例。
4910 事業廃止に伴う新経営者
新社は解散した旧社と実質上同一性を有する企業として継続しており、新社は旧社の不当労働行為責任を含めてその責任を負うものであるとされた例。
4911 解散事業における使用者
旧社は不当労働行為責任を負うものであるが、解散して清算結了登記を了し、法人格は消滅していることから、同社に対する申立てが却下された例。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集76集472頁 |
評釈等情報 |
 
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