概要情報
事件名 |
松本学園 |
事件番号 |
長野地労委 昭和57年(不)第3号
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申立人 |
松本短期大学教職員組合 |
被申立人 |
学校法人 松本学園 |
命令年月日 |
昭和59年 8月 8日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
定年を理由に、組合結成の中心的役割を果たしたX1教授の雇用を継続しなかったこと、同問題及びX2講師の雇止めに関する団交拒否が争われた事件で、X1教授に対し、バックペイ等の措置を含め雇用の継続の状態を回復させること、同人の雇用条件について誠意をもって協議すること、同協議が調わないときは、仲裁を申請し、裁定に従うこと並びに誓約書の手交を命じ、X1教授の雇用継続及びX2講師の雇止めに関する団交については、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人組合員X1に対して、次の措置を含め、昭和57年4月1日以降松本短期大学教授として雇用が継続されていたと同様な状態に回復させなければならない。 (1) 松本短期大学教授に就任させること。 (2) 昭和57年4月1日以降教授として就任するまでの間に、同人が受けるはずであった賃金相当額を支給すること。 2 被申立人は、申立人組合員X1の雇用継続に伴う雇用条件について、誠意をもって申立人と協議しなければならない。 3 前項の協議開始の日から2か月以内に協議が調わないときは、被申立人の同意を得て当委員会に仲裁を申請し、その裁定に従わなければならない。 4 被申立人は、下記の誓約書を申立人に手交しなければならない。 記 誓 約 書 当学園が行った次の行為は、長野県地方労働委員会により、不当労働行為であると認定されました。当学園は、今後このような行為を繰り返さないことを、長野県地方労働委員会の命令により誓約いたします。 1 就業規則の定年退職規定の適用に藉口して、貴組合員X1の雇用を継続しなかったこと。 2 貴組合から申入れのあった貴組合員X1の退職に関する団体交渉を、正当な理由なく拒否したこと。 昭和 年 月 日 松本短期大学教職員組合 執行委員長 X3 殿 学校法人 松 本 学 園 理事長 Y1 5 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1106 契約更新拒否
1500 不採用
組合結成の中心的役割を果たしたX1教授に対し、定年を理由に雇用を継続しなかったことが不当労働行為であるとされた例。
2301 人事事項
X1教授の退職に関する団交申入れに対し、70才をもって定年退職となったもので、団交を行う余地はないとして団交を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
X2講師の雇止めに関する団交拒否問題について、同講師が審査中に死亡したことから、その部分に関して申立てを棄却した例。
4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
X1教授の定年退職に関する団交拒否の救済にあたり、同教授の雇用継続を命じていることから、団交を命ずる必要は認められないとされた例。
5200 除斥期間
X2講師の雇止めに対する学園の陳謝を求める申立てについて、同講師に対する委嘱打切りから申立てまで1年を経過していることから、却下された例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集76集132頁 |
評釈等情報 |
 
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