概要情報
事件名 |
日本原子力研究所 |
事件番号 |
茨城地労委 昭和53年(不)第6号
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申立人 |
X1ほか7名 |
申立人 |
日本原子力研究所労働組合 |
被申立人 |
日本原子力研究所 |
命令年月日 |
昭和59年 7月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
写真入り身分証明書への切替えに際し、組合がこれを労務管理に悪用されるとして回収したことを理由に、委員長以下8名の組合役員を懲戒減給処分に付したことが争われた事件で、組合から身分証明書回収行為に行き過ぎがあったことを認める文書の交付を受けるのを条件として、8名の懲戒減給処分の取消し、賃金カット分の支払い及び誓約文の交付を命じ、ポスト・ノーティスについては申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人日本原子力研究所は、申立人日本原子力研究所労働組合より下記1記載の文書の交付を受けるのを条件として、下記2記載の文書を同組合に交付し、かつ、申立人X1に対する昭和53年6月9日付け懲戒減給処分並びに同X2、同X3、同X4、同X5、同X6、同X7及び同X8に対する昭和53年5月26日付け懲戒減給処分をそれぞれ取消し、同人らがこの処分により失った賃金相当額を支払わなければならない。 記1 当組合は、昭和53年4月20日から4月27日までの間に実施した身分証明書回収行為が茨城県地方労働委員会において行き過ぎであったと認められましたので、同行為について遺憾の意を表します。 昭和 年 月 日 日本原子力研究所 理事長 Y1 殿 日本原子力研究所労働組合 中央執行委員長 X9 記2 当研究所は、貴組合が昭和53年4月20日から4月27日にかけて行った身分証明書回収行為を理由にX1ほか7名に対して懲戒処分を行いましたが、このことについて茨城県地方労働委員会より労働組合法第7条に該当する不当労働行為であると認定されましたので、ここに同処分を取消すとともに、今後はこのような行為を行わないように致します。 昭和 年 月 日 日本原子力研究所労働組合 中央執行委員長 X9 殿 日本原子力研究所 理事長 Y1 2 申立人らのその余の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
写真入り新身分証明書への切替えに反対し、組合が同身分証明書を回収したことを理由に委員長ら8名の組合役員を懲戒減給処分に付したことが、服務規律違反に藉口して組合の弱体化を意図した支配介入であるとされた例。
4417 条件付命令・協議命令
4603 その他
組合による新身分証明書の回収を理由とする懲戒減給処分の救済につき労使関係の信頼が著しく欠如しているため、将来にわたる公正かつ正常な労使関係の形成を期待するとして、組合からの身分証明書回収行為に対する遺憾の意の表明を条件に、懲戒減給処分の取消し及びバック・ペイを命じた例。
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業種・規模 |
学術研究機関 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集76集88頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1984年10月15日 435号 82頁 
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