概要情報
事件名 |
聖和学院 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和55年(不)第8号
|
申立人 |
X1 |
申立人 |
神奈川私学単一労働組合聖和学院分会 |
申立人 |
神奈川私学教職員組合連合 |
被申立人 |
学校法人 聖和学院 |
命令年月日 |
昭和59年 6月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
教師としての不適格性を理由とする分会員X1の解雇及び学級担任の解任、学級数の減少・音楽を専科とする教員であることを理由とする分会員X2の学級担任外し並びに他の教員らによる分会員のつるし上げが争われた事件で、分会員X1に対する解雇通告の取り消し、被申立人学院が設置する学校の教員としての取り扱い及び復職に至るまでの諸給与相当額(年5分加算)の支払い並びに誓約書の手交を命じ分会員X1の学級担任の解任及び分会員X2の学級担任外しについては、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は申立人X1に対する昭和55年4月21日付けの解雇通告を取り消し、同人を被申立人が設置する学校の教員として扱うとともに、解雇以後復職に至るまでの間に、同人が得たであろう諸給与相当額に年5分の割合による金員を加算して、同人に支払わなければならない。 2 被申立人は、次の内容の誓約書を本命令交付後すみやかにそれぞれの名宛人に対し、手交しなければならない。 誓 約 書 当学院が、昭和54年11月9日から同月22日までの間、当学院の中・高校の教員と神奈川私学単一労働組合聖和学院分会の分会員との間に生じたトラブルにおいて、中・高校の一部の教員によりX1、X2及びX3の三氏に加えられた実力の行使を制止しなかったこと及びX1氏に解雇の通告をしたことは、今般、神奈川県地方労働委員会により、労働組合法第7条第1号及び第3号の規定に該当する不当労働行為であると認定されました。 よって当学院は、今後、このようなことを繰り返さないことを約束します。 年 月 日 神奈川私学教職員組合連合 執行委員長 X4 殿 神奈川私学単一労働組合連合聖和学院分会 分会長 X1 殿 学校法人 聖和学院 理事長 Y1 3 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
0500 勤務成績不良
3602 違法・不当な行為に使用者側にも責任がある場合
教師としての不適格性を理由に分会員X1を解雇したことが、学院の主張には関係者らの誇張した供述をそのまま事実として認めたものが多く、また、同人のみの責任として追及しえないものや、学院の対応にも適切さを欠いた点が認められる等解雇するに足るだけの合理性が認められず、学院が同人の組合活動を嫌悪してしばしば退職を勧告していたこと等からみて不当労働行為に当たるとされた例。
1302 就業上の差別
学級数の減少、音楽を専科とする教員であることを理由として、分会員X2に学級担任を命じなかったことが不当労働行為とはいえないとされた例。
1302 就業上の差別
教師としての不適格性を理由として分会員X1の学級担任を解任したことが、同人と保護者との間に深刻な相互不信が醸成されていたことからみて、不当労働行為とはいえないとされた例。
2700 威嚇・暴力行為
3411 その他の従業員の言動
ほとんどが別組合員である中・高校教員らの分会員に対するつるし上げが、学院の意を受け、分会及び分会員を学院から排除する意図のもとになされたもので、不当労働行為に当たるとされた例。
4404 復帰後の労働条件等
分会員X1の解雇は不当労働行為に該当するが、学級担任を解任したことには相当の理由があるとして、救済措置としては、学院の学校における教員としての地位を、同人のために回復させるよう命ずることをもって相当であるとされた例。
|
業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集75集385頁 |
評釈等情報 |
 
|