概要情報
事件名 |
近畿生コン |
事件番号 |
京都地労委 昭和59年(不)第2号
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申立人 |
全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部 |
被申立人 |
近畿生コン 株式会社 |
命令年月日 |
昭和59年 4月 6日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
別組合との間の唯一交渉団体約款の存在及び団交応諾による経営上の危機の招来を理由に申立人組合が申入れた同組合員X1ら2名に対する解雇撤回等に関する団交を拒否したことが争われた事件で、団交応諾及び全従業員あての通知文の掲示を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、(1)掲示板消失の件、(2)申立人の組合員X1ら2名に対する下車勤務及び自宅待機の命令の件、(3)組合用務否認の件、(4)運輸一般関西地区生コン支部労働組合近畿生コン分会が行ったストライキを理由とする申立人の組合員になされた賃金カットの件、(5)申立人の組合員に対する残業補償制度の一方的適用除外の件、(6)申立人の組合員X1、同X2になされた解雇を撤回する件、に関する申立人の団体交渉の申入れに対し、誠意をもってこれに応じなければならない。 2 被申立人は、下記内容の「通知文」を縦1メートル、横 1.5メートルの模造紙に墨書し、従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 通 知 文 当社は、運輸一般関西地区生コン支部労働組合を当社に関係する唯一の労働組合と判断し、今日まで同労組と団体交渉を行ってまいりましたが、今般、京都府地方労働委員会から、「全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部が独立した労働組合であり、(1)運輸一般関西地区生コン支部労働組合との間に唯一交渉団体約款が締結されていること、(2)全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部との団体交渉に応じれば、運輸一般関西地区生コン支部労働組合との間で長期紛争の発生が予想され、それがために経営上の危機を招くことを理由に、全日本運輸一般労働組合関西地区生コン支部との団体交渉を拒否してはならない」と命ぜられましたので、今後、同支部から団体交渉の申入れがあれば、これに応じることにしました。以上、京都府地方労働委員会の命令により通知します。 昭和 年 月 日 従業員各位 近畿生コン株式会社 代表取締役 Y1 |
判定の要旨 |
2113 交渉団体として不適格
申立人組合は別組合の分派活動者の集団であるとして団交に応じなかったことが不当労働行為とされた例。
2111 唯一交渉団体条項
別組合との間の唯一交渉団体約款の存在を理由に申立人組合との団交を拒否したことが不当労働行為とされた例。
2246 併存団体との関係
申立人組合の要求を受け入れ、同組合を認知すれば、別組合との関係において長期紛争が発生し、その結果会社の経営が破綻に追い込まれるのは必定であるとして、申立人組合との団交を拒否したことが不当労働行為とされた例。
4504 他の救済と重畳的に団交の必要性を認めた例
団交拒否の救済として、団交応諾及び全従業員あての通知文の掲示を命じた例。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集75集332頁 |
評釈等情報 |
 
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