概要情報
事件名 |
大空交通 |
事件番号 |
北海道地労委 昭和58年(不)第4号
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申立人 |
全自交札幌地方連合会 |
申立人 |
大空交通労働組合 |
被申立人 |
大空交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和59年 3月23日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合活動のための会社施設の利用を禁止したこと、チェックオフを一方的に廃止したこと及び執行委員長X1に対して、会社掲示板からの組合あて告示文書の無断撤去、時間内の無許可中央委員会及び臨時大会開催を理由に、7日間及び9日間の各出勤停止処分を行ったことが争われた事件で、出勤停止処分の取消し及びバックペイ、就業時間中の中央委員会等の開催規制、組合活動のための会社社屋の使用禁止、チェックオフの廃止などによる支配介入の禁止並びにポスト・ノーティスを命じ、陳謝文の新聞掲載については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人大空交通労働組合の執行委員長X1に対してなした昭和57年12月24日付け出勤停止処分、昭和58年1月20日付け出勤停止処分及び昭和58年3月20日付けの出勤停止処分を取り消し、この間同人が受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人大空交通労働組合に対し、就業時間中における臨時大会及び中央委員会の開催を規制したり、明け番集会等の組合活動のための会社社屋の使用を禁止したり、あるいは、一方的にチェック・オフを廃止するなどして、申立人組合の運営に支配介入してはならない。 3 被申立人は、下記内容の陳謝文を縦1メートル、横 1.5メートルの白色木板に楷書で墨書し、会社の正面入口の見易い場所に、命令交付の日から7日以内に10日間掲示しなければならない。 記 陳 謝 文 会社が貴組合を嫌悪して、X1執行委員長に対して、昭和57年12月24日付け出勤停止処分、昭和58年1月20日付け出勤停止処分並びに昭和58年3月20日付け出勤停止処分及び会社社屋立入禁止処分を行ったこと、就業時間中における臨時大会及び中央委員会の開催を規制したり、明け番集会等の組合活動のための会社社屋の使用を禁止したり、あるいは一方的にチェック・オフを廃止するなどしたことは、北海道地方労働委員会において不当労働行為であると認定されました。 ここに深く陳謝するとともに、今後、このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 昭和 年 月 日(掲示の初日を記載すること) 大空交通労働組合 執行委員長 X1 殿 全自交札幌地方連合会 執行委員長 X2 殿 大空交通株式会社 代表取締役 Y1 4 申立人のその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
0421 幹部責任
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
従来の慣行を無視して中央労働委員会及び臨時大会の開催にための休車許可願いを不許可とし、これに従わずに就業時間中に開催したX1委員長に対し、出勤停止及び会社社屋立入禁止処分を行ったことは、組合の正当な行為に対して、その弱体化を企図して行われた不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
3600 処分の差別
会社が組合あての告示文書を会社用掲示板に掲示したことは、組合を無視した行為であり、X1委員長が告示文書を剥ぎ取った行為は懲戒処分に値するほどのものではなく、会社がX1委員長を出勤停止処分にしたことは組合を嫌悪した不当労働行為であるとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社に休車届を提出することにより、就業時間中に組合活動を行ってきた労使間の慣行を無視し、就業時間中の臨時大会及び中央大会の開催を一方的に認めないとしたことは組合の運営に対する支配介入であるとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社が永年の慣行を無視し一方的にチェックオフを廃止したことは、組合が時間外協定の締結を拒否したための報復措置として企図したもので、組合の運営に対する支配介入であるとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
3020 組合活動への制約
新社屋を明け番集会等の組合活動に一切利用させないということは、施設管理権に籍口して行われたもので、組合の運営に対する支配介入であるとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(バス専業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集75集228頁 |
評釈等情報 |
 
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