概要情報
事件名 |
サレジオ学院 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和58年(不)第24号
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申立人 |
川崎サレジオ中学校サレジオ高等学校教職員組合 |
申立人 |
X1外二名 |
被申立人 |
学校法人 サレジオ学院 |
命令年月日 |
昭和59年 2月14日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
組織改変、就業規則の改訂等に関する団交申入れに対し、団交ルールが確立していないことなど理由に拒否したこと、中労委の審査期日に当事者本人及び補佐人として出頭した執行委員長ら3名に対し、有給休暇扱いをせず、賃金カットしたことが争われた事件で、団交拒否の禁止、賃金カット措置の取消し、カット分の支払(年5分加算)、年次有給休暇の取得等に関する差別取扱いの禁止及びポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人学校法人サレジオ学院は、申立人川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校教職員組合が昭和58年5月4日申し入れた団体交渉について、団体交渉ルールが確立していない、再審査事件に関し中央労働委員会において和解の最中である等の理由をもって拒否してはならない。 2 被申立人は、申立人X1、同X2及びX3に対する賃金カット措置を取り消し、X1に対し金11,632円、X2、X3に対しそれぞれ金24,070円を各人に支払われるべき日の翌日から支払の日までの間、年5分の割合による金員を加算して支払わなければならない。 3 被申立人は、申立人川崎サレジオ中学校サレジオ高等学校教職員組合の組合員に対し、年次有給休暇の取得、遅刻、早退の取扱いについて、他の教職員と差別してはならない。 4 被申立人は、本命令交付後すみやかに次の内容の文書を縦30センチメートル、横50センチメートルの白紙いっぱいにわかりやすい字で墨書し、被申立人の職員室の掲示場所に破損することなく7日間掲示しなければならない。 記 当学院が貴組合の申し入れた団体交渉を正当な理由なく拒否したこと及び貴組合員X1、同X2、同X3が中央労働委員会に出頭するに当たり、年次有給休暇を認めず、賃金を控除したことは、いずれも不当労働行為であると神奈川県地方労働委員会から認定されました。 学院は、これを深く反省し、今後再びこのような行為をくり返さないことを誓約します。 昭和 年 月 日 川崎サレジオ中学校サレジオ高等学校教職員組合 執行委員長 X2 殿 学校法人 サレジオ学院 理事長 Y1 |
判定の要旨 |
1203 その他給与決定上の取扱い
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
中労委の審査期日に当事者として出頭した執行委員長ら3名に対し、年次有給休暇扱いを認めず、賃金カットしたことが、不当労働行為であるとされた例。
2211 団交ルールの先議
2241 他の係争事件の存在
団交ルールが確立していないこと及び別件再審査事件に関し団交ルール設定のための和解がなされている最中であることを理由に団交に応じなかったことが不当労働行為であるとされた例。
5124 その他の審査手続
申立ては再審査係属中の事件との関係で重複申立てであるとの主張につき、同じ団交拒否事件ではあっても団交要求時期及び事案の内容を異にしており、重複申立てに当たらないとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集75集167頁 |
評釈等情報 |
 
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