労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  鴨池タクシー 
事件番号  鹿児島地労委 昭和54年(不)第10号 
申立人  鴨池タクシー労働組合 
被申立人  鴨池タクシー 株式会社 
命令年月日  昭和58年10月 7日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  陸運事務所の指導を理由として組合員のみ18名を、また業績不良を理由として組合員4名をそれぞれ営業所から本社へ配転したこと、管理職の書記長に対する言動及び所長らが組合員に対し組合脱退届用紙を配布したこと、非組合員が結成した互助会と決算手当等について短時間で妥結し支給したこと、腕章着用闘争を理由として出勤停止処分等に付したこと並びに不誠意団交等が争われた事件で、配転命令がなかったものとしての取扱い及び配転、組合脱退工作による支配介入の禁止を命じ、その他については申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人は申立人組合所属の組合員、X1、X2、X3及びX4に対して、昭和54年5月12日付け配置転換命令がなかったもとのして、取り扱わなければならない。
2 被申立人は組合活動の弱体化を企図する配置転換、組合の自主的な組合活動に干渉する言動及び職制をして同組合からの脱退を慫慂する脱退工作により申立人組合の運営へ支配介入してはならない。
3 申立人のその余の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
2900 非組合員の優遇
非組合員により結成された互助会と決算手当等について短時間で妥結し支給したことは、組合に対する差別取扱いであるとの主張につき、妥結するかどうかは互助会の自主的判断であるとして、不当労働行為ではないとされた例。

0200 宣伝活動
1400 制裁処分
決算手当未解決による腕章着用闘争を理由とした出勤停止処分等について、不特定多数の乗客に接するという業務の遂行に影響を及ぼすこともあり、再三にわたる着用禁止の指示、警告を無視して強行したことからみて、不当労働行為とはいえないとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
2623 脱退届け作成・提出強要
会社側交渉委員である管理職の書記長に対する言動及び所長らが組合員に対し組合脱退届用紙を配布したことが、組合の弱体化を企図した不当労働行為であるとされた例。

2803 その他
互助会に対し便宜供与など援助を行っているとの組合主張につき、組合の疎明がなく、互助会への便宜供与があったとの事実は認め難いとして、申立てが棄却された例。

3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員18名をA営業所から本社へ配転したことについて、あみだ抽選により一たんは決められた人事を廃棄して組合員のみを配転対象としていることから、人事権に藉口し、組合活動の弱体化を企図した支配介入であるとされた例。

3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
営業収入が低いことを理由に、組合活動家ら4名をB営業所から本社へ配転したことについて、配転時期が腕章着用闘争の期間中であったこと、配転の基準、必要性についての疎明が不十分であったこと等から、組合活動の弱体化を企図した不当労働行為であるとされた例。

4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
決算手当及び年間臨給問題の団交において、形式的交渉のみに終始し誠実な団交を行っていないとの主張につき、上記問題は、合意に達し、協定書が締結されていることから、被救済利益は喪失したとして、申立てを棄却した例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集74集311頁 
評釈等情報  労働経済判例速報 昭和59年3月10日 1178号(35巻7号) 11頁 

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