事件名 |
日本電気 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和57年(不)第17号
神奈川地労委 昭和57年(不)第26号
|
申立人 |
X1 |
被申立人 |
日本電気 株式会社 |
命令年月日 |
昭和58年 4月28日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
組合執行委員選挙に立候補することを表明していた申立人X1に対する配転命令及び同配転命令拒否を理由とする懲戒解雇処分が争われた事件で、配転命令、懲戒解雇処分の撤回及び原職復帰、バック・ペイ(年5分加算)並びにポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人日本電気株式会社は、申立人X1に対する昭和57年6月1日付けの東京支社立川支店への配置転換命令及び同月18日付けの懲戒解雇処分を撤回し、同人を原職に復帰させ、同月19日から原職に復帰するまでの間の賃金相当額に年5分の割合による金員を加算して、同人に支払わなければならない。 2 被申立人日本電気株式会社は、申立人X1に対し、本命令交付の日から1 週間以内に下記の内容を、文書により手交するとともに、縦 1.5メートル、横2メートルの白色木板に鮮明に墨書し、被申立人日本電気株式会社の本社及び玉川事業場の正門付近の従業員の見やすい場所に1週間、破損することなく、これを掲示しなければならない。 昭和 年 月 日 X1 殿 日本電気株式会社 代表取締役 Y1 当会社が、貴殿に対し、昭和57年6月1日付けで、東京支社立川支店への配置転換を命じ、貴殿がこれを拒否したことを理由に、同月18日貴殿を解雇したことは、神奈川県地方労働委員会によって、貴殿に対する不利益取扱いであり、かつ、日本電気労働組合玉川支部に対する支配介入であって、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。 よって、当会社は、今後このような行為を行わないことを誓います。 |
判定の要旨 |
1102 業務命令違反
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
申立人X1に対する配転命令が不当労働行為と認められることから、同配転命令拒否を理由とする懲戒解雇処分も、不当労働行為に該当するとされた例。
1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
「組合を強くする会」から組合の執行委員選挙に立候補することを表明していた申立人X1に対する玉川事業場から立川支店への配転命令が、定期異動に籍口して、同人の組合執行委員立候補資格を奪い、玉川事業場から同人の排除を図ったもので、同人の組合活動を阻害する不利益取扱いであると同時に、組合の選挙に対する支配介入行為にあたるとされた例。
|
業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集73集348頁 |
評釈等情報 |
労働法律旬報 1983年9 月10日 1079号 53頁
労働判例 1983年12月1 日 416 号 75頁
|