概要情報
事件名 |
聖康会さくら園 |
事件番号 |
青森地労委 昭和57年(不)第5号
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申立人 |
日本社会福祉労働組合青森支部さくら園分会 |
被申立人 |
社会福祉法人 聖康会 |
命令年月日 |
昭和58年 4月21日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
昭和56年度の定期昇給において組合員を非組合員と差別したことが争われた事件で、組合員に対する非組合員と同等の取扱いによる昇給の是正及び昇給による差額(年5分加算、なお、差額には諸手当の差額を含む)の支払いを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人社会福祉法人聖康会は、昭和56年度定期昇給について、昭和56年4月1日にさかのぼり、申立人日本社会福祉労働組合青森支部さくら園分会の組合員を次のとおり昇給させなければならない。 氏名 適用給料表 格付 X1 行政職 6等級5号級 X2 〃 7等級8号級 X3 〃 7等級13号級 X4 〃 7等級13号級 X5 〃 7等級12号級 X6 〃 7等級9号級 X7 医療職(二) 4等級5号級 X8 技能職等(一) 13号級 2 被申立人は、申立人の組合員に対し、前項の昇給による差額(諸手当の差額を含む。)を支払わなければならない。 3 被申立人は、前項の差額に対して、昭和56年4月以降の各支払期日から完済に至るまでの間、年5分の割合による金員を支払わなければならない。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
昭和56年度定期昇給において、組合員の昇給幅と非組合員の昇給幅との間に格差をつけたことが不当労働行為とされた例。
4415 賃金是正を命じた例
昭和56年度定期昇給における差別取扱いの救済として、非組合員が同定期昇給によって受けたのと同等の利益を与えるという方法をとることが妥当であり、本件の場合、各組合員について1号給ずつ昇給させる必要があるとされた例。
4825 その他
組合員に労組法第2条ただし書第1号に該当する者X1が含まれており、組合の申立ては却下すべきであるとの園側の主張について、X1は同号に該当する者とは認められないとして、それを斥けた例。
5200 除斥期間
本件申立ては行為の日から1年経過後に申し立てられたものであり、却下されるべきものであるとの園側の主張について、1年経過後に申し立てられたことについての疎明がなく、また、組合は56年12月末に56年度定期昇給の実態を知り、57年3月に格差是正の要求書を提出し団交をしており、57年4月12日に申し立てたからといって却下されるべきものとは認められないとされた例。
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業種・規模 |
社会保険、社会福祉 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集73集332頁 |
評釈等情報 |
 
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