労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  日立メディコ 
事件番号  千葉地労委 昭和57年(不)第8号 
申立人  総評全国一般労働組合千葉地方本部 
被申立人  株式会社 日立メディコ 
被申立人  株式会社 日立メディコ柏工場 
命令年月日  昭和58年 3月22日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  被解雇者X1が解雇後約10年を経て加入した組合から申し入れられた同人の解雇撤回を議題とする団交について、会社側が、X1とは雇用関係が存在しないこと、社会通念上合理的な期間内の申入れでないこと等の理由でそれを拒否したことが争われた事件で、会社及び同社工場に対して団交応諾を命じ、誓約書の手交及び掲示を求める申立てについては棄却した。 
命令主文  1 被申立人両名は、申立人の組合員であるX1の解雇撤回を議題とする団体交渉にすみやかに誠意をもって応じなければならない。
2 その余の申立ては棄却する。 
判定の要旨  2121 被解雇者
2301 人事事項
会社と被解雇者である組合員X1との雇用関係の存在が控訴審において否定されたとしても、同人が最高裁に上告し、現在係属している以上、両者間には潜在的に雇用関係が存在しているものと解するのが相当であり、同人は労組法第7条2号の「雇用する労働者」に含まれるとされた例。

2300 賃金・労働時間
被解雇者X1に関する団交申入れに対し、X1は、会社が同人を解雇するにあたり行った他社への就職あっせんを拒否し、また、裁判所の提示した和解案を同人が拒否したため和解打切りとなっていること等から団交の実質的基盤を失っているとの会社主張につき、臨時員として入社した時に説明された社員登用に関し、同人がその推薦に加えられなかった理由や、同人を解雇するにあたり、その理由の説明がなされておらず、団交を求める利益を有するものとされた例。

2235 その他組合の態度
被解雇者X1が解雇後約10年を経て加入した組合からの団交申入れについて同人が解雇後直ちに申立人組合に加入しなかったのは、組合の単独支援よりも幅の広い支援団体の方が有利であると判断したものと解せること、訴訟を提起するかたわら、組合の支援を得て解雇問題について会社と抗争していること、高裁での敗訴後、組合の指導援助がさらに強まることを期待して組合に加入したものであること、組合が第1回目の団交を申し入れた日は、同人の組合加入から4か月を経過したにすぎないこと等の理由から、社会通念上合理的な期間内の団交申し入れにあたるとされた例。

4505 その他
被解雇者にかかる団交拒否事件に関し、団交応諾のほか誓約書の手交及び掲示を求めたのに対し、団交の応諾を命ずることで足るとし、ポスト・ノーティス等は棄却された例。

4905 経営補助者
不当労働行為の主体となるのは企業自体であって、その下部組織にすぎないK工場は被申立人適格を欠くものであるとの会社主張につき、会社は各部門ごとに独立採算制ないし事業制による利益管理を行っており、同工場は救済命令の内容を実現する能力と権限を有する者と解するのが相当であり、被申立人適格を有するとして会社主張を斥けた例。

業種・規模  精密機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集73集212頁 
評釈等情報  労働法律旬報 1983年8 月10日 1077号 61頁 
労働判例 1983年9 月1 日 410 号 90頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 昭和58年(不再)第18号/他 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和60年11月13日 決定 
中労委 昭和58年(不再)第19号/他 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和60年11月13日 決定 
 
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