労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  問谷製作所 
事件番号  神奈川地労委 昭和56年(不)第12号 
申立人  X2 
申立人  X1 
被申立人  株式会社 問谷製作所 
命令年月日  昭和58年 3月10日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  申立人X1及びX2が会社構内において開催された組合の職場集会において、組合執行部の方針に対する意見書を無許可で配布したことを理由として、両名に対し始末書の提出を求めたこと及び同始末書の不提出に対して懲戒処分を示唆する発言をしたことが争われた事件で、これらを理由とする始末書の提出要求の禁止及び誓約書の掲示を命じ、懲戒処分の禁止を求める申立てについては棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人X1及び同X2に対し、申立人両名が昭和56年7月3日に被申立人会社構内において、印刷物を配布したことを理由に始末書の提出を求めてはならない。
2 被申立人は、本命令書交付の日から3日以内に下記の誓約書を縦1メートル、横2メートルの白色木板に墨書し、これを被申立人本社工場の正面入口の見やすい場所に毀損することなく10日間掲示しなければならない。
          誓  約  書
 当社が組合員X1氏及び同X2氏に対し、同氏らが昭和56年7月3日の組合の職場全体集会において意見書を配布したことを理由として始末書の提出を求めたことは、神奈川県地方労働委員会により労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為と認定されました。ここに陳謝の意を表明するとともに、今後このような行為を繰り返さないことを誓約致します。
   昭和 年 月 日
              株式会社 問谷製作所
               代表取締役社長 Y1 
判定の要旨  0200 宣伝活動
申立人X1及びX2が、会社構内において開催された昭和56年度夏季一時金に関する組合の職場集会において、同一時金に関する両名の考え方、組合執行部の方針に対する疑問の提起等を内容とする無許可の意見書2通を各60部配布したことが、正当な組合活動にあたるとされた例。

1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
申立人X1及びX2が会社構内において開催された組合の職場集会において組合執行部の方針に対する意見書を配布したことは、無許可の印刷物等の配布を禁止した就業規則に違反するとして、両名に対し会社が始末書の提出を求めたことについて、組合の自主的な運営に対して支配介入し、両名が正当な組合活動をしたことの故をもって両名を不利益に取り扱ったもので、不当労働行為にあたるとされた例。

4601 「抽象的不作為命令」を命じた例
始末書の不提出に対して懲戒処分を示唆する発言をしたことに対する救済として、懲戒処分をしないことを求める申立てにつき、会社が審問においてさらに懲戒処分を行う旨表明しているわけではないとして、これを棄却した例。

業種・規模  輸送用機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集73集194頁 
評釈等情報   

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