労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  萬国観光 
事件番号  大阪地労委 昭和57年(不)第1号 
大阪地労委 昭和57年(不)第22号 
申立人  大阪芸能労働組合 
被申立人  萬国観光 株式会社 
命令年月日  昭和58年 3月 8日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  昭和56年年末一時金について、別組合とは団交のうえ支給していながら、分会員には妥結していないことを理由に支給せず、分会員X1ら7名の解雇問題及び同年賃上げに関する団交申し入れについて、労委で争っている問題であるとして団交に応じなかったり、交渉権限を有するか否か明確でない者を出席させたりしたこと等が争われた事件で、年末一時金問題についての誠意ある団交応諾を命ずるとともに、別組合員に支給したと同一の支給率により算出した金額による一時金の仮払い及び文書手交を命じた。なお、解雇問題及び昭和56年度賃上げに関する団交については、既に別事件において救済を命じていることから、申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人の昭和56年10月30日及び57年3月5日付け要求書記載事項(申立人組合メトロ分会員の解雇撤回及び56年度賃上げに関する事項並びに解決済みの事項を除く)について、交渉権限を有する者を出席させて、申立人と誠意をもって団体交渉を行わなければならない。
2 被申立人は、申立人組合メトロ分会員に対し、昭和56年年末一時金として、萬国観光労働組合の組合員に支給したと同一の支給率により算出した金額(算定の基礎額は、同分会員の55年度基本給に 5,000円を加算した額とする)並びに、これに年率5分を乗じた額を、それぞれ仮に支給しなければならない。
3 被申立人は、申立人に対し、速やかに下記の文書を手交しなければならない。
              記
                       年 月 日
大阪芸能労働組合
 委員長 X1殿
               萬国観光株式会社
                 代表取締役 Y1
 当社が行った下記の行為は、大阪地方労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第2号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
              記
(1) 貴組合のメトロ分会員に対し、昭和56年年末一時金を支給しなかったこと
(2) 貴組合の昭和56年10月30日及び同57年3月5日付け要求書記載事項(メトロ分会員の解雇撤回及び56年度賃上げに関する事項を除く)について誠意をもって団体交渉に応じなかったこと
4 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
別組合に対しては、昭和56年年末一時金を支給しながら、分会員に対しては組合と合意に達していないことを理由にそれを支給しなかったことにつき、交渉が進まなかったのは会社の不誠実な態度に起因するものであり分会員を不利益に取り扱った不当労働行為であるとされた例。

2213 交渉人数
2248 実質的権限のない交渉担当者
当該問題については、現在労委で争っていること、会社提案の団交時間及び組合側出席者の人数の制限に組合が従わないこと等を理由として、昭和56年年末一時金及び人員削減問題等に関する団交を拒否したり、交渉権限を有するか否か明確でない者を団交に出席させたりしたことが不当労働行為とされた例。

4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
組合が団交の開催を求めた事項のうち、分会員7名の解雇問題及び昭和56年度賃上げ要求については、既に別事件において救済を命じていることから、その部分に関して申立てを棄却した例。

4413 給与上の不利益の場合
組合と合意に達していないことを理由とする昭和56年年末一時金の不支給に対する救済として、会社に対し誠意をもって団交を行うこと並びに別組合員に支給したと同一の支給率により算出した額の仮支給を命ずるのが相当であるとされた例。

業種・規模  娯楽業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集73集187頁 
評釈等情報   

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