概要情報
事件名 |
大阪大松運輸 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和56年(不)第18号
|
申立人 |
全日本運輸一般労働組合東大阪支部 |
被申立人 |
株式会社 大阪大松運輸 |
命令年月日 |
昭和58年 1月21日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
|
事件概要 |
長距離輸送に従事していた分会員X1に対し、一方的に地場輸送を命じたことが争われた事件で、同人の死亡時(57年5月) までの間長距離輸送に従事したものとして取り扱い、既に支払った賃金との差額 (年5分加算) を同人の相続人へ支払うこと及び組合に対する文書手交を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、亡X1に関し、昭和55年12月4日から昭和57年5月26日までの間長距離輸送に従事したものとして取り扱い、同人の昭和55年6月分から同年11月分までの6カ月間の平均賃金と既に支払った賃金との差額及びこれに年率5分を乗じた額を同人の相続人に対して支払わなければならない。 2 被申立人は、申立人に対し下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 全日本運輸一般労働組合東大阪支部 執行委員長 X2殿 株式会社 大阪大松運輸 代表取締役 Y1 当社が行った下記の行為は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 記 貴組合員であったX1氏に対し、昭和55年12月4日から同人が昭和57年5月26日死亡するまでの間地場輸送を命じたこと。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
長距離輸送に従事していた分会員X1に対し、一方的に地場輸送を命じ、組合の是正の申し入れにもかかわらず長距離輸送に従事させなかったことが不当労働行為とされた例。
4838 申立ての承継
唯一の分会員X1の死亡により、会社・組合間の労使関係は消滅し、組合は当事者適格を欠くに至った、また、本件申立ての利益帰属主体である同人の死亡により組合の申立ての利益は消滅した等として申し立ての却下を求める会社主張につき、同人に対する会社の措置が不当労働行為か否かについて争いのある限り、会社と組合との労使関係は消滅せず、また、本件申立ては組合の申立てであり、同人の死亡は申立てに何らの影響を与えるものではないとされた例。
|
業種・規模 |
道路貨物運送業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集73集70頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和58年7月10日 1156号(34 巻19号) 26頁 
|