労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  南埼病院 
事件番号  埼玉地労委 昭和54年(不)第9号 
申立人  南埼病院労働組合 
被申立人  Y1 
被申立人  医療法人 南埼病院 
命令年月日  昭和57年11月25日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  看護婦X1への暴行を理由とする執行委員長の懲戒解雇及びX1を中心とする看護婦らが行った組合員に対する組合脱退強要が争われた事件で、執行委員長に対する解雇の撤回、原職復帰及びバックペイ並びに、解雇及び支配介入に係る文書手交を命じ、陳謝文の掲示については申立ては棄却した。 
命令主文  主   文
1 被申立人医療法人南埼病院は、申立人組合の執行委員長X1に対する昭和54年8月13日付懲戒解雇処分を取消し、かつ、同人を原職又は原職相当職へ復帰させるとともに、懲戒解雇通知の日の翌日から原職に復帰するまでの間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
2 被申立人らは、申立人組合に対し下記文書を本命令書交付の日から5日以内に手交しなければならない。
                記
(1)当病院が南埼病院労働組合の結成についてこれを嫌悪し、昭和54年8月13日付で、委員長X1氏を懲戒解雇したことは労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると埼玉県地方労働委員会から認定されました。
(2)Y1が南埼病院労働組合の結成について、これを嫌悪し、病院を廃止すると宣告したこと、又親睦会を結成させて組合の運営に対する支配介入を行ったことは労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると埼玉県地方労働委員会から認定されました。
 よって、今後は、このような行為を繰返さないよう注意します。
      昭和 年 月 日
               医療法人 南埼病院
                代表理事 Y2
                  Y1
3 申立人の、その余の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  0600 暴力行為
3600 処分の差別
病院事務室における看護婦X1への暴行を理由に組合委員長を懲戒解雇したことが、他の者による類似事件を不問にしていること等から、組合委員長として、中心的活動家であることから病院によって嫌悪され、職場から速やかに追放することにより、組合破壊を意図して行われた不当労働行為である。

2611 その他の従業員の言動
2625 非組合員化の言動
3411 その他の従業員の言動
X1を中心とする看護婦らが組合員に対して行った「Y1先生は、組合が嫌いであり、組合が存続していれば病院経営が困難となり、閉鎖されてしまう。」等の発言がY1の指示に基づく病院の支配介入行為である。

4405 バックペイから他収入控除
被解雇者が、解雇後いわゆる中間収入を得ているとは認められないことから、全額バックペイを命ずることが相当である。

4916 企業に影響力を持つ者
病院設立者の子息で、理事でもあったY1は、理事を辞任するまで積極的に経営にあたっており、かつ、病院の建物及びその敷地は同人の所有であり、辞任後も病院を事実上支配していること等から、同人は病院と一体のものであるとして被申立人適格が認められた。

業種・規模  医療業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集72集452頁 
評釈等情報   

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