労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  相模湖自動車教習所 
事件番号  神奈川地労委 昭和57年(不)第11号 
申立人  全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方自動車交通労働組合相模湖自動車教習所支部 
申立人  全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方自動車交通労働組合 
被申立人  株式会社 相模湖自動車教習所 
命令年月日  昭和57年10月27日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  別件確定命令の履行に関する確認書に反して支部組合員X1を送迎用バスに乗務させず、バス乗務相当賃金を支払わないこと、労使慣行に反して昭和56年度夏期一時金における欠勤控除率を2倍に引き上げ、かつ同一時金から昭和55年度冬期一時金についての欠勤控除を行ったことが争われた事件で、X1を送迎用バス乗務に就かせること、同乗務から外した期間の金員(年5分加算)を支払うこと、支部組合員3名に対し従前の欠勤控除方式による控除額と実際の控除額との差額(年5分加算)を支払うこと、並びにこれらに関するポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  主   文
1 被申立人は、申立人組合の組合員X1を同人の希望に応じ、直ちに送迎用バス乗務に就かせなければならない。
2 被申立人は、申立人組合の組合員X1に対し昭和56年1月26日以降送迎用バス乗務から外した期間について、1か月当たり金2万 9,225円の割合による金額とこれに対する年率5分の加算をつけて支払わなければならない。
3 被申立人は、昭和56年度夏期一時金として申立人組合の組合員X1に対して金7万 7,897円を、同X2に対して金25万 8,552円を、同X3に対して金30万 4,421円を昭和56年7月20日からそれぞれ年率5分の加算をつけて支払わなければならない。
4 被申立人は、本命令交付後、速やかに下記の陳謝文を縦1メートル、横2メートルの白色木板に楷書で墨書し、被申立人の教習所入口の従業員の見やすい場所に毀損することなく20日間これを掲示しなければならない。
            陳 謝 文
 当社が、貴組合及び同支部に対して、神労委昭和54年(不)第27号事件の地労委命令が確定し、貴支部との間に送迎用バス乗務についての確認書を締結しながら貴支部の組合員X1を送迎用バス乗務から外し、同人に大幅な減収を余儀なくさせ、かつ、同人に対して支払ったバス乗務相当賃金に相当する金員を昭和56年度夏期一時金から回収したことは、神奈川県地方労働委員会から、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。よって当社は貴組合及び貴支部に対して深く陳謝の意を表するとともに、今後再びこのような行為を繰り返さないことを固く御約束致します。
                  昭和 年 月 日
全国自動車交通労働組合総連合会
神奈川地方自動車交通労働組合
執行委員長 X4
全国自動車交通労働組合総連合会
神奈川地方自動車交通労働組合
相模湖自動車教習所支部
支部長 X2 殿
組合員 X2
同   X1
同   X3
            株式会社 相模湖自動車教習所
             代表取締役 Y1 
判定の要旨  1203 その他給与決定上の取扱い
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
従来の慣行に反し、昭和56年度夏期一時金の欠勤控除率を2%から4%に引き上げ、かつ同年度の基本給プラス家族給の額を基礎として昭和55年度冬期一時金に係る欠勤控除も併せて行ったことが、支部及び支部組合員X1に支払った送迎用バス乗務相当賃金を従業員の同一時金から回収することを意図して行った不当労働行為である。

1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
別件で、支部組合員X1を送迎用バス乗務から排除したことが不当労働行為と認定され、その後会社支部間でバス乗務につかせる旨の確認書を締結したにもかかわらず、同人をバス乗務につけず、バス乗務相当額(月約3万円)も、一部仮払いしたのみで、支部長の発言等(バス乗務をしないのにバス乗務相当賃金が支払われるのは不自然であり、早急にバス乗務に就かせたうえ賃金を支払うべきである。)に藉口しその後まったく支払わないことが、同人に対する不利益取扱いであり、申立人組合の弱体化を意図した不当労働行為である。

5201 継続する行為
支部組合員X1へのバス乗務相当賃金の不払は、昭和56年1月26日以降に係るものであり、本件申立日(57年4月15日)までの間に1年以上を経過しているが、同賃金は半年分ごとに支払う旨の合意があり、合意がなされた後の最初の支払いが、支払対象期間の満了する日の属する月の30日になされているところからみて、56年1月26日以降の期間に係る同賃金の支払日は7月30日と認められるから、除斥期間は同日から起算することが相当であり、法27条2項には抵触しない。

業種・規模  教育(自動車教習所を含む) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集72集380頁 
評釈等情報   

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