労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪木村コーヒー店 
事件番号  大阪地労委 昭和56年(不)第6号 
大阪地労委 昭和56年(不)第42号 
申立人  総評全国一般大阪地方連合会大阪木村コーヒー店労働組合 
被申立人  株式会社 大阪木村コーヒー店 
命令年月日  昭和57年10月14日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  昭和55年度の賃上げ査定にあたり、執行委員X1及び昭和54年10月に別組合を脱退し申立人組合に加入した組合員X2につき最低の査定を行ったこと、また、昭和56年度の査定にあたり執行委員X1について最低の査定を行ったことが争われた事件で、組合員平均等を考慮して定めた号俸に査定したものとして取り扱うこと、既支払金額との差額を支払うこと、及び文書手交を命じた。 
命令主文  主    文
1 被申立人は、申立人組合員X1に対して、昭和55年度賃上げの査定を4号俸に、同56年度賃上げの査定を5号俸に、同X2に対して、同55年度賃上げの査定を3号俸に、それぞれ査定したものとして取り扱うとともに、同人らに対して既払額との差額(これに対する年5分の割合による金員を含む)をそれぞれ支払わなければならない。
2 被申立人は、申立人に対し、速やかに下記の文書を手交しなければならない。
             記
                    年 月 日
 総評全国一般大阪地方連合会
 大阪木村コーヒー店労働組合
  執行委員長 X3 殿
           株式会社 大阪木村コーヒー店
             代表取締役 Y1
 当社は、貴組合員X1氏に対する昭和55年度及び同56年度の各賃上げの査定並びに同X2氏に対する同55年度の賃上げの査定にあたり、両氏を不当に差別しましたが、これらの行為は、大阪府地方労働委員会において労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 
判定の要旨  1202 考課査定による差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
執行委員X1について、業務上のミスが多いこと、勤務態度に積極性が欠けることを理由に、55年度賃上げにあたり10段階中最低の1号俸に、また56年度においては9段階中最低の2号俸に査定したが、X1が就労していないにもかかわらず、業務上のミスをX1の責任にしていること、勤務態度から、他の従業員とX1と極端な差異があることについて合理的理由が認められないこと、査定者はX1と激しく対立していたことから、X1に対する不利益取扱いであり、かつ組合の運営に対する支配介入であるとされた。

1202 考課査定による差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合員X2について、同人が別組合を脱退して、申立人組合に加入した直後の55年度賃上げにあたり、遅刻が多いこと、売掛金の回収率が悪いことを理由に10段階中最低の1号俸に査定したが、遅刻について、54年度の一時金の査定に当たっては評価項目としてあまり重視していなかったことが認められ、別組合に加入した直後には高く査定され、組合に加入した直後には極めて低く査定されていることから、同人に対する不利益取扱いであり、かつ組合の運営に対する支配介入であるとされた。

4415 賃金是正を命じた例
職能給部分の賃上げ査定において最低ランクに査定された組合員X1にかかる救済として、被救済者の業務態度がやや積極性に欠けることを考慮に入れて、組合員平均よりやや低い号俸での是正を命じた。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献  不当労働行為事件命令集72集342頁 
評釈等情報   

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