概要情報
事件名 |
中央タクシー |
事件番号 |
山梨地労委 昭和56年(不)第1号
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申立人 |
全国自動車交通労働組合総連合会山梨地方連合会 |
申立人 |
X1 外個人3名 |
申立人 |
中央タクシー労働組合 |
被申立人 |
有限会社 中央タクシー |
命令年月日 |
昭和57年10月 7日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
現行の勤務ダイヤには法違反の疑いがある等とする組合主張に籍口して、組合員についてのみ歩合収入の減少をもたらすような新しい勤務ダイヤに一方的に変更するとともに、あわせて時間外労働の禁止を通告し、これに反して行った時間外労働は組合員らの恣意によるものだとして時間外労働手当を支給しなかったことが争われた事件で、新勤務ダイヤによる就業及び時間外労働禁止の通告の取消し、旧勤務ダイヤによって就業により得たであろう諸給与相当額と実際の支給額との差額の支払いを命じ、陳謝文の手交、ポスト・ノーティス等については申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人中央タクシー労働組合並びに申立人X2、同X1、同X3及び同X4(以下前記4名の者を「組合員ら」という。)に対し、7日サイクル勤務ダイヤによる就業並びに時間外労働の禁止の通告を取消し、昭和56年8月11日から昭和57年1月31日までの間、組合員らが従前の20日サイクル勤務ダイヤによって就業することにより得たであろう諸給与相当額からすでに支給ずみの金額を差し引いた額を支給しなければならない。 2 申立人らのその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
2900 非組合員の優遇
現行の勤務ダイヤには法違反の疑いがある等とする組合の主張を理由に、組合員についてのみ歩合収入の減少をもたらすような新しい勤務ダイヤに変更するとともに、あわせて時間外労働の禁止を通告し、これに反して行った時間外労働は組合員らの恣意によるものだとして時間外労働手当を支給しなかったことにつき、これらは賃金収入の大巾減少をもたらすもので、組合運営に対する支配介入であり、同時に組合員らに対する不利益取扱いにあたるとされた。
4413 給与上の不利益の場合
4615 P.Nを認めないことに理由を付した例
勤務ダイヤを一方的に変更するとともに時間外労働を禁止したこと等に対する救済措置につき、すでに勤務ダイヤについては原状を回復しているとして、バック・ペイのみを命じ、時間外労働を命ずる際の差別の禁止、陳謝文の手交及びポスト・ノーティスを求める申立てについては棄却した。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集72集304頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1983年2月1日 397号 80頁 
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