労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  林兼産業 
事件番号  大阪地労委 昭和56年(不)第64号 
申立人  林兼産業労働組合 
被申立人  林兼産業 株式会社 
命令年月日  昭和57年10月 6日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  (1)申立人組合の支部長である製造課主任X1の業務を課長代理に代行させた問題、(2)考課査定問題、(3)非組合員である臨時工・パートタイマーの労働安全問題及び有給休暇等の問題に関する団交拒否が争われた事件で、(1)については文書手交を、また(2)の問題及び(3)のうちの労働安全問題については団交応諾を命じ、(3)のうちの非組合員の有給休暇等の問題については、組合員に直接かかわりがある問題であるとは認められないとして棄却した。 
命令主文  主  文
1 被申立人は、昭和56年6月25日付けで申立人の大阪支部から要求のあった事項のうち下記の事項について、被申立人の大阪工場において、申立人の大阪支部と速やかに団体交渉を行わなければならない。
                記
(1) 考課査定について
(2) 臨時工・パートタイマーの労働安全について
2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
             記
                     年 月 日
 林兼産業労働組合
  中央執行委員長 X2 殿
              林兼産業株式会社
               代表取締役 Y2
 当社が、貴組合員X1氏の主任業務を、当社大阪工場食品製造課課長代理に代行させた件について、当社大阪工場が貴組合大阪支部と団体交渉を行わなかったことは、大阪府地方労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められましたので、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。
3 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 
判定の要旨  2304 経営事項
申立人組合の支部長である製造課主任X1の業務を課長代理Y1に代行させた問題について、業務代行措置は組合の時間外勤務拒否闘争に対する企業防衛措置であり団交事項になじまないとしてそれに関する団交を拒否したことが、X1にとって重大な労働条件の変更になることから、申立人組合が、この措置について説明を求めるため、団体交渉の開催を求めることは当然であり、会社の行為は、不当労働行為にあたる。

2301 人事事項
考課査定は本社人事部の所管する会社的事項であり、工場・支部間の団交事項ではないとして支部が工場に申し入れた考課査定に関する団交を拒否したことについて、工場の職制が査定の基礎資料を作成しており、支部が考課査定について疑いを持っている場合、工場に対し説明を求めることは当然であるとして、団交拒否は不当労働行為にあたる。

2302 労務管理・労使関係
会社が非組合員である臨時工・パートタイマーに関する事項は団交事項になりえないとして臨時工・パートタイマーの労働安全問題に関する団交を拒否したことについて、職場の安全対策は単に臨時工・パートタイマーの問題にとどまらず、同一職場で業務に従事している組合員に直接かかわる問題であるとして、団交拒否は不当労働行為にあたる。

2300 賃金・労働時間
非組合員である臨時工・パートタイマーの有給休暇等に関する団交拒否につき同問題は組合員の労働条件に直接かかわりがある問題とは認められず、不当労働行為とはならない。

4503 他の救済との関係で団交の必要性を認めなかった例
申立人組合の支部長である製造課主任X1の業務を課長代理Y1に代行させた問題に関する団交拒否に対する救済措置について、業務代行措置が解除されている以上団交応諾を命ずる必要はなく、文書手交で足りるとされた例。

業種・規模  食料品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集72集298頁 
評釈等情報   

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