概要情報
事件名 |
川崎サレジオ |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和57年(不)第2号
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申立人 |
神奈川私学教職員組合連合 |
申立人 |
川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校教職員組合 |
被申立人 |
学校法人 育英学院 |
命令年月日 |
昭和57年 7月14日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
組合規約の不備や、いわゆる利益代表者の加入等を理由とする団交拒否、校長、教頭らによる組合員の自宅への電話による上部団体の批判、組合あて電報及び郵便物の受取の拒否が争われた事件で、団交応諾、上部団体からの脱退の勧奨、組合あての電報及び郵便物の受取の拒否等による組合運営への介入の禁止並びに職員室内へのポスト・ノーテイスを命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校教職員組合が昭和56年12月9日付けで申し入れた団体交渉に速やかに応じなければならない。 2 被申立人は、申立人川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校教職員組合の組合員に対し申立人神奈川私学教職員組合連合を中傷誹謗するなどして申立人川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校教職員組合の申立人神奈川私学教職員組合連合からの脱退を勧奨したり、申立人川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校教職員組合運営あての電報及び郵便物の受取を拒否することによって、申立人の組合運営に介入してはならない。 3 被申立人は、本命令交付後速やかに下記内容の文書3通を作成し、それぞれ川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校の本館2階職員室、同4階職員室及び新館2階職員室の見やすい場所に1通ずつ1週間継続して掲示しなければならない。 記 年 月 日 神奈川私学教職員組合連合 執行委員長 X1 殿 川崎サレジオ中学校、サレジオ高等学校教職員組合 委員長代行 X2 殿 学校法人 育英学院 理事長 Y1 この度、当学院は貴組合からの団体交渉に正当な理由なく応ぜず、遅延を重ねて御迷惑をおかけしました。よって、速やかに団体交渉を開催致します。今後組合活動への介入になるような行為は致しません。 |
判定の要旨 |
2113 交渉団体として不適格
イ)組合規約が不備であること、ロ)使用者の利益を代表する者が加入していること、ハ)上部団体に加入し、独立した組合とはいえないことを理由に団交を拒否したことにつき、いずれも正当な理由とは認められず不当労働行為である。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
組合の上部団体加盟後幾ばくもない時期に、校長、教頭らが、組合員の自宅に、上部団体への批判ないし意見の電話をしたことが、組合の内部問題に不当に介入した支配介入にあたる。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
学校内に組合事務所を貸与してないことから、組合事務所の所在地を学校の所在地とするのは不当であるとして、組合あての電報及び郵便物の受取を拒否したことは、組織の弱体化を意図した不当労働である。
4611 P.Nの掲示の場所を配慮した例
ポスト・ノーティスを命ずるに当たり、被申立人が教育機関であることを考慮し、掲示の場所を職員室内とした。
4820 単一組織の支部・分会等
救済申立時の申立人組合の規約には不備があったものの、審査の過程で補正し、改正後の組合規約を資格審査資料として提示しており、現行規約ではなんらの問題点も認められないことから申立人適格を有するとされた。
4820 単一組織の支部・分会等
教務部長、同副長、会計担当らは、その職務の実態からみて、いわゆる利益代表者とはいいがたく、同人らが加入する組合には申立人適格があるとされた。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集72集87頁 |
評釈等情報 |
 
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