概要情報
事件名 |
日本ケミファ |
事件番号 |
東京地労委 昭和56年(不)第101号
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申立人 |
総評全国一般日本ケミファ労働組合 |
申立人 |
総評全国一般労働組合東京地方本部 |
被申立人 |
日本ケミファ 株式会社 |
命令年月日 |
昭和57年 6月 1日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
組合結成間もない時期に開催した研修会及び昼食会における社長の上部組合非難、組合脱退慫慂等の言動が争われた事件で、研修会等を利用した上部組合非難、組合脱退慫慂等による組合運営への介入の禁止及びポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人日本ケミファ株式会社は、社長研修会、昼食会等を利用して、申立人総評全国一般日本ケミファ労働組合所属の組合員らに対し、同組合の上部団体である総評全国一般労働組合を非難したり、同組合から脱退しなければ相応の報復的措置を受けるであろうことを示唆したり、期限を付して同組合からの脱退を迫るなどして、申立人両組合の運営に支配介入してはならない。 2 被申立人会社は、本命令書受領後、1週間以内に、55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に、下記のとおり明瞭に墨書し、被申立人会社の本社、研究所及び草加工場の入口の、従業員の見易い場所に10日間掲示しなければならない。 記 昭和 年 月 日 総評全国一般労働組合東京地方本部 中央執行委員長 X1 殿 総評全国一般日本ケミファ労働組合 中央執行委員長 X2 殿 日本ケミファ株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴組合所属の組合員らに対し、社長研修会、昼食会等を利用して、総評全国一般労働組合を非難したり、貴組合から脱退しなければ相応の報復的措置を受けるであろうことを示唆したり、期限を付けて貴組合からの脱退を迫ったりしたことなどは、いずれも不当労働行為であると、東京都地方労働委員会において認定されました。今後このようなことをくり返さないよう留意いたします。 (注、年月日は掲示した日を記載すること。) 3 被申立人会社は、前項2項を履行したときはすみやかに、当委員会に文書で報告しなければならない。 |
判定の要旨 |
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
社長が、組合結成間もない時期に開催した研修会の席上で、上部組合を非難し、組合からの脱退を慫慂したことが、使用者として許される言論の自由の範囲を著しく逸脱したもので不当労働行為に当たるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
課長代理以上の職制が参集してなされた昼食会の席上で、社長が副主任研究員である組合委員長に対し上部組合を非難する発言を行ったことが、不当労働行為とされた例。
4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
研修会及び昼食会の席上になされた社長の言動について、いまだ労使関係が不正常な状態にあることを考慮すれば、今後、同種又は類似の行為がくり返されるおそれがないとはいえないとして、同言動が過去1回限りの行為であり、被救済利益がないとの会社主張を斥けた例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集71集433頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1982年10月15日 391号 75頁 
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