概要情報
事件名 |
明輝製作所 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和57年(不)第1号
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申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方本部 |
被申立人 |
株式会社 明輝製作所 |
命令年月日 |
昭和57年 4月12日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
昭和56年度年末一時金に関する団交要求に対し、会社が組合員以外の他の従業員に一時金を支給した後に団交に応じるとして実質的に団交を拒否したこと、会社が他の従業員に対し一時金を支給したことから組合が会社回答での仮払いを求めたのに対し支払いを拒否したことが争われた事件で、一時金等労働条件に関する団交について組合員以外の他の従業員への支給日以前に誠意をもって応じること、組合員X1に対して年末一時金の仮払いをすること及びY・D両工場でのポスト・ノーティスを命じ、本社工場におけるポスト・ノーティスの申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人は、申立人の申し入れる賃金、一時金等労働条件に関する団体交渉に、申立人組合員以外の他の従業員に支給する期日以前に、誠意をもって応じなければならない。 2 被申立人は、申立人組合員X1に対して、昭和56年12月16日付通知書の内容どおり昭和56年度年末一時金を直ちに仮払いしなければならない。 3 被申立人は、下記誓約書を本命令交付の日から1週間以内に縦1メートル、横2メートル以上の白色木板に明記し、被申立人会社大和工場及び横浜工場の正面入口の見易い場所に毀損することなく7日間掲示しなければならない。 誓 約 書 会社は、貴組合と昭和56年度年末一時金に関する団体交渉を他の従業員に対する支給日前に開催せず、また、貴組合の申入れにもかかわらず、貴組合員X1に対し、一時金を仮払いしなかったことは、神奈川県地方労働委員会より不当労働行為であると認定されました。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
組合の年末一時金の仮払い要求は、会社には他の従業員に対する一時金の支給日前に団交を開催する姿勢がみえず、組合としては組合員にのみ未支給という従来のパターンによる支給差別を避けるために申し入れたものであり、このような支給差別が会社の不当労働行為に起因するものである以上、会社が年末一時金交渉の未妥結を理由に仮払いを拒否したことは不当労働行為であるとされた例。
2244 特定条件の固執
2251 一方的決定・実施
年末一時金に関する団交要求に対し、組合員以外の従業員に一時金を支給した後に、団交に応じるとする会社の態度は、組合の団交要求に対し、団交日を会社から通知するとしておきながら通知もせず、また一方的に一時金を決定して、それに同意しなければ支給しない旨通知するなどの諸事情をも考えると、一貫して組合との団交を無意味なものにしようとする強い意図のもとになされた実質的団交拒否であるとされた例。
4611 P.Nの掲示の場所を配慮した例
団交拒否、一時金仮払い拒否等に関するポスト・ノーティスの場所として、組合が結成当初はY工場及びD工場の従業員のみをもって組織された経緯からみて、両工場に限定し、本社工場への掲示については棄却した例。
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業種・規模 |
金属製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集71集351頁 |
評釈等情報 |
 
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