概要情報
事件名 |
ニッショー |
事件番号 |
滋賀地労委 昭和56年(不)第2号
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申立人 |
総評合化労連化学一般労働組合連合京都滋賀地方本部 |
申立人 |
総評合化労連化学一般京滋地本ニッショー滋賀労働組合 |
被申立人 |
株式会社 ニッショー |
命令年月日 |
昭和57年 3月26日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合が設置した立看板を会社側が撤去しようとしたのに対し、組合側が指名ストと称して組合員を集めそれを妨げたことにつき、会社側が職場離脱、業務妨害にあたるとして執行委員長ら5名を3日間の出勤停止処分に、組合員37名を譴責処分に付したこと及び出勤停止処分に抗議して就労した5名を再度6日間の出勤停止処分に付したことが争われた事件で、2回にわたる出勤停止処分の取り消しとバック・ペイ、譴責処分の取り消し(組合員でなくなった15名を除く)と同処分がなかったものとしての取扱いを命じ、ポスト・ノーティスについては申立てを棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人会社は、申立人組合の組合員であるX1、X2、X3、X4およびX5に対して、同人らに対する昭和55年12月15日付出勤停止処分および昭和55年12月20日付出勤停止処分を取り消し、出勤停止期間中の諸給与相当額を支払い、同処分がなかったと同様に取り扱わなければならない。 2 被申立人会社は、申立人組合の組合員である別紙譴責処分者名簿記載のX6ら22名に対して、同人らに対する昭和55年12月15日付譴責処分を取り消し、同処分がなかったと同様に取り扱わなければならない。 3 申立人組合のその余の救済申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0121 個人的活動
0200 宣伝活動
組合設置の立看板を会社側が撤去しようとしたのに対し、組合側が指名ストと称し組合員を集めそれを妨げた行為について、会社側は、組合の統一的意思によるものでなく組合活動とは認められないと主張したのに対し、確立したスト権に基づき執行委員会で決定したところにより委員長の指示のもとなされたものであり、組合活動として行われたものであるとされた例。
0413 ストライキ(含部分・指名スト)
組合が設置した立看板を会社が撤去しようとしたのに対し、組合が指名ストと称して業務に支障のない組合員を急拠召集して撤去作業を妨げた行為について、会社側は、予告なしに突然に行った会社の正当な行為を妨害した違法な争議行為であると主張したのに対し、事前通告の慣行はなく、また、立看板の設置は組合としてやむを得ない行為であり、その撤去に抗議してなした行為は、労務供給停止をこえて積極的行為を伴ったとしても、正当な争議行為の範囲を逸脱したものとはいえないとされた例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
立看板の撤去作業に対する抗議行動は無断職場離脱、業務妨害等に当たることを理由に執行委員長ら5名を3日間の出勤停止処分に、また組合員37名を譴責処分に付したことが、組合の弱体化を図るとともに年末一時金査定に対する抗議行動抑止を目的とした不当労働行為であるとされた例。
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
立看板の撤去妨害を理由として3日間の出勤停止処分に付された執行委員長5名が、それに抗議して就労したのに対し、業務命令違反であるとして同人らをさらに6日間の出勤停止処分に付したことも不当労働行為であるとされた例。
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業種・規模 |
精密機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集71集310頁 |
評釈等情報 |
 
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