概要情報
事件名 |
別府観光交通 |
事件番号 |
大分地労委 昭和54年(不)第8号
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申立人 |
別府観光交通労働組合承継人全自交別府自動車交通労働組合 |
被申立人 |
別府観光交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和56年12月 1日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
新賃金体系(完全歩合給)の導入に反対したことを理由に組合員3名の担当車両割当を変更したこと(無線車から非無線車へ)が争われた事件で、担当車両割当変更がなかったものとしての取扱い及び賃金差額相当額の支払いを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人会社は、申立人組合組合員X1に対して、昭和54年6月21日の担当車両割当変更 がないものとして、その当時の担当車両である無線付営業車社内番号145号車と同等の車両に 戻し、担当させるとともに、同人に対し金52,932円を支払わなければならない。 同組合員X2に対して、昭和54年8月21日の担当車両割当変更がないものとして、その当 時の担当車両である無線付営業車社内番号 109号車と同等の車両に戻し、担当させるととも に、同人に対し金 8,523円を支払わなければならない。 同組合員X3に対して、昭和54年9月21日の担当車両割当変更がないものとして、その当 時の担当車両である無線付営業車社内番号 177号車と同等の車両に戻し、担当させるととも に、同人に対し金 5,181円を支払わなければならない。 2 被申立人会社は、本命令書を受領した日から10日以内に縦110cm×横80cmの白紙に下記のと おり分かりやすく楷書で墨書し、これを被申立人会社本社入口付近の従業員の見やすい場所 に10日間掲げ、従業員に周知させなければならない。 記 昭和 年 月 日 全自交別府自動車交通労働組合 執行委員長 X4 殿 別府観光交通株式会社 代表取締役 Y1 当会社が、貴組合組合員X1に対し昭和54年6月21日、同X2に対し同年8月21日、同X 3に対し同年9月21日それぞれ行った担当車両割当に際し、貴組合の組合員である故をもっ て他の従業員と差別取扱したことは、大分県地方労働委員会の命令により不当労働行為であ ると認定されました。当会社は、今後このような行為を繰返さないことを誓約します。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
新賃金体系に反対していることを理由に組合員3名の担当車輌割当を変更したことが、不利益取扱いであるとされた例。
4413 給与上の不利益の場合
担当車輌割当て変更による賃金差額相当額の支払いを命ずるに当たり、前年同時期の賃金額との差額の支給が合理的ではあるが、タクシー料金改定により水揚額の水準が変化していることを考慮し、賃金額の差額に運収歩率30%を乗じて算出した額が相当とされた例。
5124 その他の審査手続
申立人組合はその後他の2企業別組合と合同し新たな組合を結成したが、実質的に同一性が保たれているから、承継の申出がなくても、新設合同と同時に申立てを承継したというべきであるとされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集70集548頁 |
評釈等情報 |
 
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