概要情報
事件名 |
オランダ銀行 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和53年(不)第129号
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申立人 |
外国銀行外国商社労働組合大阪支部第三部会 |
被申立人 |
アルヘメーネ・バンク・ネーダランド・エヌ・ブイ 日本における代表者Y1 |
被申立人 |
アルヘメーネ・バンク・ネーダランド・エヌ・ブイ 大阪営業所 |
命令年月日 |
昭和56年 8月 7日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
46年4月以降、他の従業員に比較して申立人分会員7名の昇格を遅らせたことが争われた事件で、同7名を申立日の1年前の時点である52年12月27日に遡及してそれぞれ指定する職階に昇格させたものとして取り扱うこと及びバック・ペイ(年5分加算)並びに文書手交を命じ、52年12月26日以前にかかる昇格についての申立ては却下した。 |
命令主文 |
主 文 1 被申立人らは、X1、X2、X3、X4、X5、X6及びX7(以下、それぞれ姓のみに よって表示する)に対して、昭和52年12月27日付で次のとおり昇格したものとして取り扱う とともに、同日以降同格付けによって得られる賃金・一時金相当額(ただし、既に支払った 金員を除き、その未払金に対する年5分の割合による金員を含む)を支払わなければならな い。 (1)X1及びX2は、Bクラスオフィサーに昇格したものとすること (2)X3、X4、X5、X6及びX7は、課長代理に昇格したものとすること。 2 被申立人らは、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 申立人代表者あて 被申立人ら代表者名 当行は、貴分会員に対して行った次の行為が労働組合法第7条第1号及び第3号に該当す る不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたしま す。 (1)X1及びX2の両氏に対して、Bクラスオフィサーに格付けしなかったこと (2)X3、X4、X5、X6及びX7の各氏に対して、課長代理に格付けしなかったこと 3 申立人の昭和52年12月26日以前に係る昇格についての申立は、これを却下する。 |
判定の要旨 |
1200 降格・不昇格
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
分会の中心的活動家である分会員7名の昇格を、他の従業員より遅らせたことが不当労働行為とされた例。
4905 経営補助者
支店の長は、従業員の昇格について本店に推せんする立場にあり、実質的にはそれにより決定されていると推認されるから、支店には被申立人適格がないという会社の主張は採用できないとされた例。
5124 その他の審査手続
本件救済申立ての一部が中労委に救済申立てしている組合員X1の昇格差別問題と重複した二重申立であるとの会社主張について、前の命令と審査の対象も時点も異なるとして斥けた例。
5200 除斥期間
分会員7名の昇格差別に関する救済申立てのうち、申立日の一年以前にかかる部分は、申立期間を徒過したものとして却下せざるをえないが、申立日の1年前の時点で不利益扱いが存在し、それがそれ以前の不当労働行為に帰因するものであれば、その是正を命じても法27条2項には抵触しないとされた例。
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業種・規模 |
金融業、保険業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集70集170頁 |
評釈等情報 |
 
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