概要情報
事件名 |
古川工業 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和52年(不)第85号
大阪地労委 昭和53年(不)第1号
|
申立人 |
全日本港湾労働組合関西地方建設支部 |
被申立人 |
破産者 古川工業 株式会社 破産管財人 |
被申立人 |
破産者 古川工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和56年 4月24日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
会社再建協定に反して破産申立てを行い、分会員を解雇したこと、社長が入院中であることを理由に年末一時金の要求に関する団交を拒否したことが争われた事件で、自己破産申立及び分会員の解雇についての文書手交を破産会社に命じたが、原職相当職への復帰とバック・ペイ及び年末一時金に関する団交拒否並びに破産管財人に対する申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人破産者古川工業株式会社は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。 記 年 月 日 申立人代表者あて 破産者古川工業株式会社 代表者名 当社は、貴組合及び貴組合員に対して下記の行為を行いましたが、これらの行為は労働組 合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、ここに陳謝いたし ます。 記 (1)貴組合との間で会社再建を確約しながら、これに反し、貴組合に無断で昭和52年9月13 日大阪地方裁判所に対し、自己破産申立てを行ったこと。 (2)貴組合員らを、昭和52年12月30日付けで解雇したこと。 2 申立人の被申立人破産者古川工業株式会社に対するその他の申立て及び被申立人破産者古 川工業株式会社破産管財人松田定周に対する申立ては棄却する。 |
判定の要旨 |
1800 会社解散・事業閉鎖
2000 人員整理
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社による本件破産申立て及び分会員らに対する解雇は、再建協定の趣旨に反するだけでなく、組合を破壊するためになされた不当労働行為であるとされた例。
4402 企業閉鎖・偽装解散と救済
4614 文書手交のみを命じた例
会社の破産申立て及び解雇は不当労働行為にあたるが、会社が破産宣告を受け、債権者集会において営業廃止決議がなされ、管財人による最後配当も終了している以上、事業の継続は事実上不可能であり、原職相当職への復帰とバック・ペイを命ずることは不適当であるとし、文書手交のみを命じた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
破産申立て会社における組合の年末一時金の要求に関する団交について、一時期拒否が続いたとはいえ、社長退院以降、また管財人選任以降それぞれ団交に応じてきており、救済の必要はないとされた例。
4408 バックペイが認められなかった例
4913 破産管財人
解雇が不当労働行為である以上、営業廃止決議の日までのバック・ペイを命ずべきところ、既に管財人による最後配当が行われており、これを破産管財人に命ずることは不適当であるとされた例。
|
業種・規模 |
家具・装備品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集69集449頁 |
評釈等情報 |
 
|