概要情報
事件名 |
サイバネット工業 |
事件番号 |
神奈川地労委 昭和55年(不)第11号
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申立人 |
総評全国一般労働組合神奈川地方連合サイバネット工業支部 |
被申立人 |
サイバネット工業 株式会社 |
命令年月日 |
昭和55年10月13日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
昭和55年度賃上げなどの諸問題に関する団交において、会社が交渉期日を延引し、交渉時間、交渉員に制限を加え、組合の委任する支援共闘会議の交渉への出席を拒否し、交渉場所を一方的に社外に指定するなどし、また、会社の回答・提案通りの妥結を求めたことなどが争われた事件で、支援共闘会議との誠意ある団交応諾、賃上げ・一時金等について具体的資料を示したうえでの誠意団交応諾及びポスト・ノーティスを命じ、交渉期日の延引、交渉場所、交渉時間の問題については不当労働行為にあたらないとして棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、申立人をその構成員とするサイバネット闘争支援共闘会議の昭和55年4月4日付団体交渉申入れに応じ、誠意をもって団体交渉を行わなければならず、これにより被申立人会社の労使関係を正常化するように努力しなければならない。 2. 被申立人は、申立人の申入れた下記事項について、具体的資料を示して説明するなど、誠意もって団体交渉をしなければならない。 (1) 昭和54年度賃上げ (2) 昭和54年度夏期一時金 (3) 昭和54年度冬期一時金 (4) 昭和55年度年間休日の件 (5) 昭和55年2月19日付労働条件の変更に関する会社提案 (6) 昭和55年度賃上げ (7) 昭和55年度夏期一時金 3. 被申立人は、本命令書交付の日から5日以内に、下記誓約書を縦1メートル、横2メートルの白色木板に読みやすい字で明瞭に墨書し、被申立人会社の本社及び玉川作業所における従業員の見やすい場所に、毀損することなく7日間掲示しなければならない。 記 当社は、貴組合をその構成員とするサイバネット闘争支援共闘会議との団体交渉を拒否したほか、昭和54年度賃上げ、等に関する貴組合との団体交渉にあたり、 (1) 昭和54年度及び55年度の賃金是正の措置につき、その基準、内容、人員等の具体的内容を貴組合に説明することなく、実施したこと (2) 昭和54年度冬期一時金及び同55年度夏期一時金の交渉にあたり、その査定の内容、基準を貴組合に対し説明せず、妥結しないことを理由に貴組合員には一時金を支給せず、非組合員には支給したこと (3) 昭和55年度年間休日の決定につき貴組合と団体交渉を行わなかったこと (4) 昭和55年2月16日付の労働条件の変更申入れに関する団体交渉にあたり、貴組合に対し、具体的に資料も示さず、説明もしなかったこと (5) 貴組合との団体交渉にあたり、組合員を除く全従業員は既に会社の回答を了承し、会社の再建に協力しているとして、貴組合に対し、会社の回答通りで妥結することを求め、誠実な態度で団体交渉を行わなかったことは、いずれも不当労働行為に該当すると神奈川県地方労働委員会により認定されました。 よって、当社は、これらの不当労働行為を深く反省し、今後一切このような不当労働行為をくり返さず、労使関係の正常化に努力することを誓約します。 昭和 年 月 日 総評全国一般労働組合神奈川地方連合 サイバネット工業支部 執行委員長 X1 殿 サイバネット工業株式会社 代表取締役 Y1 4. 申立人のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
2240 説明・説得の程度
会社が、組合員を除く全従業員が了承し会社に協力してくれていることを理由に、組合に対して会社回答・提案通り妥結することを求め、組合を納得せしめるに足る具体的根拠を提示しないなどの交渉態度は、組合との団交を誠実に行い、問題を解決しようとしたものとは到底認めることはできず、実質的に組合との団交を拒否しているものと認めざるをえない。
2113 交渉団体として不適格
支援共闘会議は組合から委任を受けていることから、会社が交渉当事者以外であるとして、これとの団交を拒否したことが不当労働行為であるとされた例。
2240 説明・説得の程度
会社が組合員を除く全従業員が了承していることを理由として、会社回答・提案通り妥結することを求め、根拠等について具体的説明もしないなどの態度は、実質的な団交拒否であるとされた例。
2250 未妥結・打切り・決裂
組合の指定した日時に応ぜず交渉期日を延引した会社の態度は組合を軽視しているものであるが、団交がもたれていることでもあり、不当労働行為とまで認定しえないとされた例。
2212 交渉の場所・時間
会社が交渉場所を社外に指定したことにつき、組合に対して特に重い負担を強いるようなものでないことから不当労働行為にあたらないとされた例。
2212 交渉の場所・時間
団交における交渉時間を2時間と指定した会社の態度が特に不当と言うことはできず、不当労働行為にあたらないとされた例。
4505 その他
労使間の諸問題を解決し、労使関係の正常化を図るためには、従前の例(共闘会議との和解協定)に徴し支援共闘会議との団交を会社に命ずることが必要であるとされた例。
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業種・規模 |
電気機械器具製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集68集384頁 |
評釈等情報 |
 
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