労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  書泉 
事件番号  東京地労委 昭和54年(不)第26号 
申立人  書泉労働者組合 
被申立人  株式会社 書泉 
命令年月日  昭和55年10月 7日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  賃上げ等に関する団交、紛争の事態解決に関する団交、「臨時従業員」の導入による分離就労命令・ピケの排除・組合員自宅周辺へのステッカー貼付等による誹謗、中傷、いやがらせ等が争われた事件で、事態解決に関する団交応諾、正当な争議行為等に対する妨害禁止、組合員に対する誹謗、中傷、いがらせ等の禁止を命じ、賃上げ等に関する団交、「臨時従業員」の任命禁止・解雇、ポスト・ノーティス等については棄却した。 
命令主文  1. 被申立人株式会社書泉は、申立人書泉労働者組合が申し入れた昭和54年 2月27日以降の事態解決に関する団体交渉に、誠意をもって直ちに応じなければならない。
2. 被申立人会社は、申立人組合の行なう正当な争議行為、情宣等の活動を実力をもって妨害してはならない。
3. 被申立人会社は、申立人組合員に対する誹謗、中傷、いやがらせを内容とする同組合員の親族らへの電話、または、同組合員の自宅周辺へのステッカー貼付、落書きを行なうことによって、同組合員の申立人組合からの脱退、被申立人会社からの退職を強要してはならない。
4. その余の申立てを棄却する。 
判定の要旨  2242 回答なし
 会社は、(1)賃上げ等交渉について別組合との交渉と平行して行い、同時に問題を解決しようとしていたもので、別組合との妥結内容を申立組合に押しつけようとしたとは認められないこと、(2)賃上げ回答が若年層の多い組合をして不満を抱かせたとしても不誠実な回答とはいえないこと、(3)社長の出席等の面においても別組合との差別があったり、不誠実な団交をしたとは認められないこと等から、本件に関する団交については、89回にも及ぶ交渉により会社と組合の主張は尽されたものと認められ、これ以上の団交を命ずる実益は存しないものと判断せざるを得ない。

2250 未妥結・打切り・決裂
 申立組合との間では妥結に至っていないとはいえ、89回の団交により、会社及び組合の主張は尽されたと認められるので、賃上げ等の団交を命ずる実益は存しないとされた例。

2400 その他
 営業再開を機に組合が申し入れた事態解決に関する団交について会社が「臨時従業員」の参加等を求めて交渉に応じないのが不当労働行為であるとされた例。

3102 争議対抗手段
 「臨時従業員」をして、組合員に分離就労命令を発し、実力をもて組合のピケストを排除し、組合の情宣等の活動を妨害したことなどが不当労働行為であるとされた例。

2621 個別的示唆・説得・非難等
 会社の意を体してなされた組合員に対する誹謗、中傷、いやがらせが、組合員の組合からの脱退、会社からの退職を意図した不当労働行為とされ例。

3422 その他の者の言動
 会社の者と名乗る者による組合員の親族らへの電話及び組合員の自宅周辺へのステッカー貼付による組合員に対する誹謗、中傷、いやがらせ等が会社の意を体してなされた行為であるとされた例。

5008 その他
 「臨時従業員」の解雇、社長室および労務部の廃止および管理職への「臨時従業員」の任命禁止の救済申立てにつき、それらは会社の権限に属する事項であるとして棄却された例。

業種・規模  卸売業、小売業、飲食店 
掲載文献  不当労働行為事件命令集68集349頁 
評釈等情報   

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