概要情報
事件名 |
彦根コンクリート工業所 |
事件番号 |
滋賀地労委 昭和54年(不)第2号
滋賀地労委 昭和55年(不)第2号
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申立人 |
全国一般労働組合滋賀地方本部彦根コンクリート工業所運転手支部 |
申立人 |
全国一般労働組合滋賀地方本部 |
被申立人 |
Y2 |
被申立人 |
Y1 |
命令年月日 |
昭和55年 6月 3日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
支部結成前における親睦会の中心的活動家に対する言動、かっての組合活動家に対する仕事上の差別、賃金改定を理由とする主任手当の廃止、権限のない代理人による不誠意団交、事業所閉鎖及び全従業員の解雇が争われた事件で、組合員全員の原職復帰及びバックペイ、組合員2名に対する主任手当の廃止がなかったものとしての取扱い及びバックペイ、組合要求書についての誠意ある団交応諾、支配介入行為等に関するポスト・ノーティスを命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人支部の組合員に対して、次の措置を含め解雇がなかったと同様の状態を回復しなければならない。 (1) 原職に復帰させること。 (2) 解雇の日から原職復帰までの間の賃金相当額を支払うこと。 2 被申立人は、申立人支部の組合員X1およびX2に対して、主任手当の廃止がなかったものとして取り扱い、昭和54年6月分以降受けるはずであった主任手当相当額を支払わなければならない。 3 被申立人は、昭和54年6月11日付要求書について、申立人と誠意をもって団体交渉を行なわなければならない。 4 被申立人は、本命令書受領後1週間以内に、55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に、下記文言を明瞭に記載し、彦根コンクリート工業所正面入口の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。 記 昭和 年 月 日 全国一般労働組合滋賀地方本部彦根コンクリート工業所 運転手支部 支部長 X3 殿 Y1 Y2 私達がこれまで彦根コンクリート工業所において、貴組合および貴組合の組合員に対して行なった支配介入の言動、仕事上の差別、主任手当の廃止、団体交渉の拒否および企業閉鎖による全員解雇の各行為は、今般滋賀県地方労働委員会において、不当労働行為であると認定されました。 今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。 (注、年月日は文書を掲示した日を記載すること。) |
判定の要旨 |
4905 経営補助者
名義上の事業主は妻に変更されているが、その夫が会社の設立者で、社長と呼ばれ実質的な権限を握る経営者であるから、名義が変更されたからといって夫の被申立人適格を失うものでない。
1201 支払い遅延・給付差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
賃金体系の改定を理由とする主任手当の廃止が、その時期・経過等からして不当労働行為であるとされた例。
1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
無断欠勤が多いことを理由とするかっての組合活動家に対する仕事上の差別が不当労働行為とされた例。
1800 会社解散・事業閉鎖
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
事業所を閉鎖し全従業員に対し一方的に解雇通告したことが組合の壊滅を計ろうとしてなされた不当労働行為とされた例。
2248 実質的権限のない交渉担当者
病気を理由に権限のない代理人を団交に出席させ実質的な団交を行わなかった被申立人の態度は、単なる団交拒否にとどまらず組合を無視した不当労働行為であるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
支部結成前における親睦会の中心的活動家らに対する被申立人の言動が不当労働行為とされた例。
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業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集67集522頁 |
評釈等情報 |
 
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