概要情報
事件名 |
郡山交通 |
事件番号 |
奈良地労委 昭和54年(不)第2号
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申立人 |
奈良県自動車交通労働組合郡山交通分会 |
被申立人 |
郡山交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和55年 5月21日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
組合結成の際の、社長及び社長義弟の言動、上部団体加入を口実とする団交拒否が争われた事件で、支配介入の禁止、分会要求に関する速やかな団交応諾及び文書交付を命じ、ポスト・ノーティスについては申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人の役員に対し、「全自交を抜けよ」などと述べて申立人の組合運営に支配介入してはならない。 2 被申立人は、申立人の申し入れている昭和54年の夏期及び年末一時金、春闘統一要求事項並びに職場改善要求事項に関して、速やかに申立人との団体交渉に応じなければならない。 3 被申立人は、申立人に対して、本命令書受領の日から1週間以内に下記文書を交付しなければならない。 記 昭和 年 月 日 奈良県自動車交通労働組合郡山交通分会 分会長 X1 殿 郡山交通株式会社 代表取締役 Y1 当社が、貴分会との団体交渉に応じなかったこと、及び貴分会の役員に対し、「全自交を抜けよ、全自交を抜けたら要求の三つや四つはきいてやる。全自交にいる限り団体交渉には一切応じない」などと述べたことは、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると奈良県地方労働委員会により認定されました。よって、当社はこのことを反省し、今後このような行為を繰り返さないことを約束いたします。 以上、奈良県地方労働委員会の命令により交付します。 4 申立人のその余の申立は棄却する。 |
判定の要旨 |
2613 使用者と取引関係者の言動
3422 その他の者の言動
同族経営の小規模会社において、事実上会社運営に関与したと思われる社長の義弟が、組合役員を呼び出し、分会が上部団体に加入しないように発言したことは、かりに同人が自らの意図でなしたとしても、これらの行為を一定期間放置していた社長の態度を勘案すれば社長の責は免れない。
2215 上部団体参加否認
上部団体加入を口実とする団交拒否が不当労働行為とされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
社長が組合結成に関し何の相談もないとして非難し、組合を結成すれば企業閉鎖するとほのめかし、上部団体へ加入するななどと発言をしたことが支配介入とされた例。
4614 文書手交のみを命じた例
謝罪文の掲示の救済申立てにつき、今後の労使関係を考慮して文書の交付を命じるのが相当とされた例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集67集499頁 |
評釈等情報 |
 
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