労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  六日市製材 
事件番号  島根地労委 昭和53年(不)第2号 
島根地労委 昭和53年(不)第3号 
島根地労委 昭和53年(不)第5号 
申立人  六日市地区一般合同労働組合 
被申立人  花崎木材工業 株式会社 
被申立人  有限会社 花崎商店 
被申立人  六日市製材 有限会社 
命令年月日  昭和55年 3月26日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  分会書記長を就業時間中の上司に対する暴行傷害を理由に懲戒解雇したこと、これに関する団交に応じなかったこと、会社職制が中心となって別組合員に対して組合脱退を慫慂したこと、組合の争議行為に対し制裁処分したこと等が争われた事件で、各けん責処分等の取消し、組合脱退を慫慂するなどによる支配介入の禁止、誓約文の交付及びポスト・ノーティスを命じ、分会書記長の懲戒解雇、別組合との団交禁止、誓約文の新聞等への広告については申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人花崎木材工業株式会社は、X1、X2及びX3に対する昭和53年6月12日付けん責処分並びにX2及びX3に対する昭和53年6月30日付公示処分並びにX4、X5、X6、X7、X8、X9、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19及びX20に対する昭和53年6月30日付けん責処分を取り消さなければならない。
2 被申立人六日市製材有限会社は、X21に対する昭和53年6月12日付けん責処分及び昭和53年6月30日付公示処分並びにX22及びX23に対する昭和53年6月30日付けん責処分を取り消さなければならない。
3 被申立人有限会社花崎商店は、X24に対する昭和53年6月12日付けん責処分及び昭和53年6月30日付公示処分を取り消さなければならない。
4 被申立人花崎木材工業株式会社及び六日市製材有限会社は、申立人組合に加入している六日市地区一般合同労働組合花崎関連企業分会の組合員に対し、同分会からの脱退を慫慂するなどして同分会の運営に支配介入してはならない。
5 被申立人花崎木材工業株式会社及び六日市製材有限会社は、本命令交付の日から10日以内に下記誓約文を申立人組合に交付するとともに、縦1メートル・横2メートルの白紙に明瞭に墨書して、花崎木材工業株式会社の本社、六日市製材有限会社の六日市町大字立戸所在立戸工場と山口県玖珂郡美川町大字南桑所在南桑工場のそれぞれ従業員の見易い場所に、10日間にわたって毀損することなく掲示しなければならない。
              記
           誓  約  文
 当社は、六日市地区一般合同労働組合花崎関連企業分会の結成妨害、組合員に対する同分会からの脱退慫慂など六日市地区一般合同労働組合の団結権を侵害し、同組合花崎関連企業分会組合員の自主的な組合活動に不当介入するような言動のあったことを認め、今後この種の行為は致しません。
 以上、島根県地方労働委員会の命令により誓約します。
    昭和  年  月  日
六日市地区一般合同労働組合
 執行委員長 X25 殿
            花崎木材工業株式会社
             代表取締役 Y1
            六日市製材有限会社
             代表取締役 Y2
6 申立人のその余の申立は、棄却する。 
判定の要旨  0200 宣伝活動
デモ行進及び集会は、労使のトップ会談の合意によるスト中止の言明にもかかわらず、時間的余裕がなく組合執行部の多少の手違いでなされたものであり、また業務妨害の意図で車輛の通行を阻止したものとも認められず、これらによって業務が特に阻害されたこともうかがえないから、正当な組合活動の範囲を逸脱したものとはいいがたい。

0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
トップ会談の合意事項の一方的破棄に抗議してなされた座り込みが、多少行き過ぎた行動があったとしても正当な組合活動であるとされた例。

0600 暴力行為
就業時間中の上司に対する暴行・傷害を理由に分会書記長を懲戒解雇したことが不当労働行為ではないとされた例。

1400 制裁処分
デモ行進及び集会に参加したことを理由に分会役員5名に対し制裁処分をしたことが不当労働行為であるとされた例。

1400 制裁処分
トップ会談の合意事項の破棄に抗議してなされた座り込みなどの集団行動に参加したことを理由に分会員23名に対し制裁処分したことが不当労働行為とされた例。

2242 回答なし
上司に対する暴行・傷害を理由とする分会書記長の懲戒解雇処分に関する団交申入れに応じなかったことが不当労働行為ではないとされた例。

2610 職制上の地位にある者の言動
専務ら会社幹部の言動が組合が自主的に決定することにまで言及してなされており、組合を嫌悪しその結成妨害を目的としてなされた不当労働行為とされた例。

2621 個別的示唆・説得・非難等
組合員に対し組合脱退を慫慂したことが不当労働行為とされた例。

4614 文書手交のみを命じた例
誓約文の交付・掲示は認め、新聞、テレビ及びラジオで広告することを求める申立ては棄却された例。

5003 第二組合、その他の組織に関する請求
職制が中心となって結成された別組合との団交の禁止を求める申立てが棄却された例。

業種・規模  木材・木製品製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集67集364頁 
評釈等情報   

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