概要情報
事件名 |
有田交通 |
事件番号 |
和歌山地労委 昭和53年(不)第3号-1
和歌山地労委 昭和54年(不)第1号-1
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申立人 |
全自交和歌山自動車交通労働組合中紀分会 |
申立人 |
全自交和歌山自動車交通労働組合 |
被申立人 |
有田交通 株式会社 |
命令年月日 |
昭和55年 2月22日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
組合又は分会による昭和53年度賃上げ、同年末一時金、昭和54年夏期及び年末一時金等についての団交申入れに対して、業務多忙、社長入院等を理由に団交期日を延期変更するなどして実質的に団交を拒否した事件で、誠意ある団交応諾、4営業所でのポスト・ノーティスを命じ、他の営業所でのポスト・ノーティスについては申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立人は、昭和53年5月19日以降昭和54年11月13日までの間に申立人らから申し入れのあった下記要求事項について、申立人らとすみやかに誠意をもって団体交渉を行わなければならない。 要 求 事 項 (1) 昭和53年5月19日申し入れにかかる賃金引き上げほか6項目について (2) 昭和53年12月2日申し入れにかかる昭和53年年末一時金について (3) 昭和54年3月13日申し入れにかかる昭和54年1月分、2月分賃下げほか4項目について (4) 昭和54年5月28日申し入れにかかるX1、X2氏の解雇の件について (5) 昭和54年7月23日及び同年8月1日申し入れにかかる昭和54年夏期一時金ほか1項目について (6) 昭和54年11月13日申し入れにかかる昭和54年年末一時金ほか1項目について 2 被申立人は、縦1メートル、横2メートルの白紙に下記のとおり楷書で鮮明に墨書し、本命令の交付の日から7日以内に被申立人の湯浅営業所、箕島営業所、印南営業所及び粟生営業所の従業員の見やすい場所に10日間引き続き掲示しなければならない。 記 当会社は、当社が貴組合からの団体交渉の申し入れに対してとった態度は、労働組合法第7条第2号に規定する団体交渉拒否に該当する不当労働行為と認めます。今後かかる行為は一切いたしません。 昭和 年 月 日 有田交通株式会社 代表取締役 Y1 全自交和歌山自動車交通労働組合 執行委員長 X3 殿 全自交和歌山自動車交通労働組合中紀分会 分 会 長 X4 殿 |
判定の要旨 |
4505 その他
団交拒否に関する救済として、申立人は全営業所へのポスト・ノーティスを求めているが、団交事項の中心であるN分会に所属している従業員が勤務している4営業所に掲示することで必要かつ十分と認める。
2248 実質的権限のない交渉担当者
分会結成後の賃上げ等に関する団交において、十分な権限を有しない者を出席させたことなどが実質的な団交拒否とされた例。
2250 未妥結・打切り・決裂
業務多忙等を理由に度々の団交を延期変更し、また、団交による進展の見込みがないとして団交を拒否したことが不当労働行為とされた例。
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
Y営業所内での団交を求める申立てにつき、その後、要求どおり行われているとして棄却された例。
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業種・規模 |
道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集67集225頁 |
評釈等情報 |
 
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