概要情報
事件名 |
博仁会 |
事件番号 |
長野地労委 昭和54年(不)第1号
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申立人 |
X1 |
申立人 |
全日本自由労働組合 |
被申立人 |
社会福祉法人 博仁会 |
命令年月日 |
昭和55年 1月16日 |
命令区分 |
全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) |
重要度 |
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事件概要 |
会の経営する保育園の保母1名を業務上の指示命令に従わないこと等を理由に解雇したこと、同人の解雇撤回に関して実質的な団交を行わなかったことが争われた事件で、原職復帰及びバックペイ(年5分相当額の加算)、団交応諾を命じた。 |
命令主文 |
1 被申立人は、申立人X1に対し、次の措置を含め、昭和53年11月8日の解雇がなかったと同様の状態に回復させなければならない。 (1) 原職に復帰させること (2) 解雇の翌日から復職までの間に、同人が受けるはずであった諸給与相当額及びこれに年率5分を乗じて得た額を支払うこと 2 被申立人は、申立人X1の原職復帰に関して、申立人全日本自由労働組合の長野分会が団体交渉を申し入れたときは、これに応じなければならない。 |
判定の要旨 |
0110 結成行為の範囲とされた例
被解雇者の「労働条件の維持改善への努力、職場改善のための学習活動」が直ちに組合活動であるとは断定できないが、常に労働組合の必要性を念頭において行われたものと認められ、また、同人の解雇後同人の活動を中核として組合が結成されたものとみることができるから、被解雇者の活動は、自主的団結の形式過程においてなされた組合活動と評価するのが相当である
4300 労組法7条2号(団交拒否)の場合
解雇の救済として原職復帰を命じたとしても、なお、原職復帰に伴う団交事項が存すること及び従前の園の形式的団交態度から考えて、原職復帰に関する団交応諾についての被救済利益が失われたとは言えない。
1102 業務命令違反
業務上の指示命令に従わなかったことを理由とする組合活動家の解雇が不当労働行為とされた例。
2245 引き延ばし
解雇問題に関する4回の団交が、実質的な団交とは認められず、これらの団交を理由にその後の団交を拒否したことが不当労働行為とされた例。
3700 使用者の認識・嫌悪
解雇当時に被解雇者の活動を園が組合活動として認識していたか否かはともかく、同人ら保母の団結活動を嫌悪していたことが明白であるとされた例。
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業種・規模 |
社会保険、社会福祉 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集67集71頁 |
評釈等情報 |
 
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