概要情報
| 事件名 |
小林木村家 |
| 事件番号 |
大阪地労委 昭和53年（不）第97号
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| 申立人 |
関西単一労働組合 |
| 被申立人 |
株式会社 小林木村家 |
| 命令年月日 |
昭和54年11月15日 |
| 命令区分 |
一部救済（命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む） |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
ビラ配布した分会長に対する職制らの言動と暴力行為及び業務命令違反を理由とする仕事の取上げ、分会員らに対する脱退勧誘、分会執行委員Ｘ1に対する業務上のミスに藉口して行われた職制らによる暴力行為、賃金体系上の差異を理由とする別組合員との夏季一時金の差別支給等が争われた事件で、分会員4名に対する夏季一時金（年率5分の金員加算）の支払い、分会執行委員Ｘ1に対する暴行行為による休業期間の賃金損失額（年率5分の金員加算）の支払い及びポスト・ノーティスを命じ、上記Ｍ以外の分会員の休業中の賃金損失分の支払い、分会員の母親を介しての脱退工作については棄却し、暴力によって生じた傷害の治療費補償を求める申立てについては却下した。 |
| 命令主文 |
1. 被申立人は、下記の者に対して、昭和53年度夏季一時金として、それぞれ下記の金額及びこれに年率5分を乗じた金員を支払わなければならない。
記
Ｘ2 37，180円
Ｘ3 24，543円
Ｘ4 5，533円
Ｘ5 18，438円
2. 被申立人は、Ｘ3に対して、昭和53年 6月27日の会社職制による暴力行為によって同人が休業した間の賃金損失額及びこれに年率5分を乗じた金員を支払わなければならない。
3. 被申立人は、速やかに縦2メートル、横 1.5メートルの白色木板に下記のとおり明瞭に墨書して、被申立人本社入口付近の従業員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
記
年 月 日
申立人代表者あて
被申立人代表者名
当社は、昭和53年 6月27日以降54年 4月16日までの間、(1)Ｘ2氏に対して、暴力を振い、組合活動を妨害し、仕事を取り上げ、始末書の提出を強要し、(2)Ｘ6、Ｘ7、Ｘ8の各氏に対して、貴組合からの脱退の勧誘などを行い、(3)Ｘ3氏に対して暴力を振い、またＸ9氏に対して作業いすを取り上げるなどし、(4)更に、53年度夏季一時金につき、貴組合員を不利益に取り扱いましたが、これらの行為は、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約いたします。
以上、大阪府地方労働委員会の命令によって掲示します。
4. 申立人の治療費に関する申立ては、これを却下する。
5. 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
| 判定の要旨 |
4603 その他
分会員Ｘ2は、会社職制による暴力行為によって10日間休業したのであり、それが会社の不当労働行為に起因するものである以上、会社は同人に対し、その休業期間中の賃金損失額及びこれに年率5分を乗じた金員の支払うべきことを命ずるのが相当である。
1201 支払い遅延・給付差別
2900 非組合員の優遇
別組合と分会員との間に賃金体系上、差異が生じた結果であるとして、夏季一時金を差別支給したことが不当労働行為とされた例。
1302 就業上の差別
1602 精神・生活上の不利益
3010 労組法7条1号（不利益取扱い、黄犬契約）と競合
業務命令違反を理由として分会長から長期間仕事を取上げ、いすに座らせた措置が組合の弱体化を企図すると共に、分会長に対する職務上、精神上の不利益取扱いであるとされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2620 反組合的言動
2700 威嚇・暴力行為
組合のビラ配布等に関して行われた職制らの分会長に対する言動及び暴力行為等が不当労働行為とされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
会社役員、会社職制らによる分会脱退勧誘が不当労働行為とされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
会社職制による分会員に対する暴力行為が、同人の組合活動を嫌悪し、業務上のミスに藉口して行われた不当労働行為とされた例。
1302 就業上の差別
1602 精神・生活上の不利益
3900 「不利益の範囲」
業務命令違反を理由に分会長から仕事を取り上げ勤務時間中いすに座らせ、連日にわたって始末書の提出を求めたことが精神的、肉体的苦痛を伴う不利益であるとされた例。
2700 威嚇・暴力行為
5005 損害賠償の請求
会社職制の暴力によって生じた分会員の傷害の治療費の補償を求める申立ては、現行制度上、労働委員会の判断になじまないとして却下された例。
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| 業種・規模 |
食料品製造業 |
| 掲載文献 |
不当労働行為事件命令集66集539頁 |
| 評釈等情報 |
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