概要情報
事件名 |
南海広告社 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和52年(不)第74号
大阪地労委 昭和53年(不)第78号
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申立人 |
総評全国一般労働組合大阪地方連合会南海広告社労働組合 |
被申立人 |
株式会社 南海広告社 |
命令年月日 |
昭和54年11月14日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が、申立組合員に対し技能手当、報奨金、一時金及び受注奨励金について、別組合員と格差をつけ支給したこと、就業時間中の組合活動に対し一方的に賃金カットしたこと等が争われた事件で、格差是正とこれに伴う賃金、一時金の差額及び賃金カット分(いずれも年5分の加算を含む)の支払いを命じ春闘協力感謝金、慰安旅行遊興費の支給を求める申立ては棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、申立人組合の下記組合員に対して、同人らの技能手当、報奨金の単金及び受註奨励金をそれぞれ下記のとおり是正し、かつ、これにより算出した金額(昭和51年年末一時金以降の各一時金を含む)と既に支払った額(昭和51年年末一時金以降の各一時金を含む)との差額及びこれに年5分を乗じた額を支払わなければならない。
記
(1) 昭和51年11月分賃金から、X1、X2、X3、X4、X5及びX6の技能手当を1ランク、報奨金の単金を5円、それぞれ引き上げること (2) 昭和52年8月分賃金から、X3、X4、X6及びX7の技能手当を1ランク、報奨金の単金を5円、それぞれ引き上げること (3) 昭和52年8月分賃金から、X1の報奨金の単金を5円引き上げること (4) X8の受註奨励金を、昭和51年11月分賃金から 1,600円、昭和52年 8月分賃金から更に 1,700円上積みすること
氏 名 賃金カット額
X9 6,005円
X3 3,620
X1 5,800
X4 4,909
X5 5,642
X10 2,164
X6 14,156
X2 13,785
X8 3,877
X11 469
2. 被申立人は、前表記載の申立人組合員に対して、同表記載の各金額及びこれに年5分を乗じた額を返還しなければならない。 3. 申立人のその他の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1201 支払い遅延・給付差別
会社が行った技能手当及び報奨金のランク引上げ等に当たり組合員と別組合員との間に格差を生ぜめしたことについて合理的理由が認められず不当労働行為とされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
別組合員との技能手当及び報奨金における格差が不当労働行為である以上、同手当と報奨金を算出基礎に含む夏季一時金・年末一時金における格差も不当労働行為であるとされた例。
1201 支払い遅延・給付差別
申立組合員である営業部員X8に対する受注奨励金の上積みについて、申立外組合員と格差をつけたことが不当労働行為とされた例。
1205 別組合員に対する特別手当の支給
2802 福利厚生資金に関する寄付・貸付等
2900 非組合員の優遇
別組合の執行委員に春闘協力感謝金、慰安旅行遊興費を支給しながら、組合に支給しなかったことが不当労働行為であるとの申立てが棄却された例。
0201 就業時間中の組合活動(含職場離脱)
2901 組合無視
就業時間中の組合活動に対し、組合と協議することなく一方的に賃金カットを行ったことが不当労働行為とされた例。
4603 その他
会社は、就業時間中の組合活動について、一方的にカットした賃金を組合員に返還しなければならないとされた例。
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業種・規模 |
情報サービス・調査業(ソフトウェア業等)、広告業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集66集530頁 |
評釈等情報 |
 
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