概要情報
事件名 |
赤松紙工社 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和53年(不)第5号
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申立人 |
総評全国一般大阪地連赤松紙工社労働組合 |
被申立人 |
株式会社 赤松紙工社 |
命令年月日 |
昭和54年10月 5日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
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事件概要 |
会社の将来に不安を感じた組合が、労働債権保全のため在庫商品について仮差押えをしたところ、経営悪化を理由に企業閉鎖し、自己破産を申立てたこと、その後、雇用や企業運営に関する団交を拒否したこと等が争われた事件で、雇用及び企業運営に関する問題についての団交応諾及び文書手交を命じ、企業閉鎖及び組合員の排除計画の撤回及び退職した非組合員による集金業務の実施が組合員に対する不利益取扱いであるとする救済申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、雇用及び企業運営に関する問題について、申立人と速やかに団体交渉を行わなければならない。 2. 被申立人は、申立人に対して、下記の文書を手交しなければならない。
記
年 月 日
申立人代表者あて
被申立人代表者名
当社が、企業閉鎖及び自己破産申立てをしたことは、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であることを認め、陳謝します。 3. 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
1302 就業上の差別
会社が組合員には業務上の指示をまったく与えないでおきながら、非組合員にのみ集金業務を命じたとしても、当時会社と組合は鋭く対立していたこと、これにより組合員にも賃金を支払われたこと等を考えると、組合員を排除する不利益取扱いとまではいえないとされた例。
2241 他の係争事件の存在
自己破産申立て中であっても、破産宣告が未だなされていない現在、団交に応じる義務があり、これを拒否したことは不当労働行為であるとされた例。
3105 事業廃止、工場移転・売却
会社が、企業を閉鎖し、自己破産を申し立てたことが、組合を嫌悪し、組合の壊滅を企図した不当労働行為とされた例。
5008 その他
企業閉鎖が不当労働行為意思によるものとしても、現在、破産申立て中であり、企業の再開等が企図されているとも認められないとして、企業閉鎖の撤回等の申立てが棄却された例。
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業種・規模 |
パルプ・紙・紙加工品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集66集349頁 |
評釈等情報 |
 
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