概要情報
事件名 |
東南紡績 |
事件番号 |
大阪地労委 昭和53年(不)第111号
|
申立人 |
ゼンセン同盟東南紡績労働組合 |
被申立人 |
東南紡績株式会社 |
命令年月日 |
昭和54年 8月10日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
組合結成直後の団交申入れの拒否、社長らの不穏当な言動、副社長の全員を解雇する旨の発言及び再雇用契約書への署名の要求、組合書記長の組合員に対する組合脱退及び本件申立ての却下願への署名の呼びかけ、就業時間中の飲酒行為を理由とする組合長の解雇、ストライキ中の賃金カットが争われた事件で、団交応諾、組合長の原職復帰、バックペイ(年5分加算)、文書手交を命じ、ストライキ中の賃金カットと今後の支配介入行為の禁止については棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、昭和53年11月13日及び同月14日、申立人から申入れのあった労働条件の改善、労働協約の締結等の諸事項について、速やかに申立人と団体交渉を開催しなければならない。 2. 被申立人は、X1に対して、次の措置を含め、昭和53年11月13日付け解雇がなかったものとして取り扱わなければならない。 (1) 原職に復帰させること。 (2) 昭和53年11月20日から原職復帰の日までの間、同人が受けるはずであった賃金相当額(ただし、1か月の賃金相当額は、同人の日給額に解雇前3か月の1か月当たりの平均出勤日数を乗じて得た金額とする)及びこれに年率5分を乗じた額を支給すること 3. 被申立人は、下記の文書を速やかに申立人に手交しなければならない。
記
年 月 日
申立人代表者あて
被申立人代表者名
当社は、貴組合に対して行った次の行為が、労働組合法第7条第1号、第2号及び第3号に該当する不当労働行為であることを認め、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。 (1) 貴組合から申入れのあった団体交渉を拒否したこと (2) X1氏を解雇したこと (3) 工場閉鎖やX1氏を除く組合員全員の解雇をほのめかしたり、これら組合員に再雇用契約書へ署名させたりなどして貴組合の運営に介入したこと 4. 申立人のその他の申立ては、これを棄却する。 |
判定の要旨 |
0700 職場規律違反
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
就業中の飲酒行為を理由に組合長を解雇したことが不当労働行為とされた例。
1204 スト・カット
無断欠勤を理由とするストライキ中の賃金カットが不当労働行為ではないとされた例。
2253 受取り拒否・申入れなし
組合結成直後の団交申入れを、団体交渉の申入れとは知らなかったとして拒否したことが不当労働行為とされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2625 非組合員化の言動
組合員に対して全員を解雇する旨発言し、再雇用契約書への署名を要求した副社長の言動が不当労働行為とされた例。
2610 職制上の地位にある者の言動
2700 威嚇・暴力行為
組合結成直後の社長らによる「工場は閉鎖する」等の言動が不当労働行為とされた例。
3106 その他の行為
3411 その他の従業員の言動
組合結成直後の時期に、組合書記長が組合脱退を呼びかけたこと及び本件申立ての却下願への署名を求めたことが会社の不当労働行為とされた例。
3410 職制上の地位にある者の言動
労務課長の行った組合員に対する再雇用契約書への署名説得行為が会社の行為とされた例。
3501 労働者の行為と不利益取扱の時期との関連
就業中の飲酒行為を理由に組合長を解雇したことが、同人の組合長就任直後の時期に行われていることから不当労働行為とされた例。
|
業種・規模 |
繊維工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集66集153頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1979年11月15日 327号 79頁 
|