労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  第一交通 
事件番号  鹿児島地労委 昭和51年(不)第11号 
鹿児島地労委 昭和52年(不)第1号-2 
申立人  鹿児島第一交通労働組合 
被申立人  第一交通 株式会社 
命令年月日  昭和54年 7月 4日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  乗車記録の不実記載を理由とする組合副委員長の出勤停止処分、裁判所出頭のための無許可離席及び営業車の私的使用を理由とする委員長外組合員2名の譴責処分、社長の反組合的言辞、親睦会を利用した非組合員のみに対する通勤費用等の補助、組合員に対する忘年会補助金の不支給及び懇談会出席者の歩合給不支給をめぐる事件で、出勤停止処分の取消し、バック・ペイ、執行委員長に対する譴責処分がなかったものとしての取扱い、通勤費及び忘年会補助金の支払い及び、ポスト・ノーティスを命じ、組合員2名の譴責処分、勤務中の懇談会出席者の歩合給不支給については棄却した。 
命令主文  1. 被申立人は、昭和51年11月5日に行ったX1に対する2日間の出勤停止処分について、こ れを処分がなかったのと同様の状態に復し、その間に受けるはずであった諸給与相当額を支 払わなければならならない。
2. 被申立人は、昭和51年9月24日に行ったX2に対する譴責処分について、これを処分がな かったのと同様の状態に復しなければならない。
3. 被申立人は、X2に、昭和51年7月から同年12月まで6か月分の通勤に要した費用相当額 を、また、同人及びX3の両人に忘年会補助として各2,000円を支払わなければならない。
4. 被申立人は、この命令書を受領した日から10日以内に縦80cm×横150cmの白紙に下記陳謝文 を分かりやすく楷書で墨書し、これを本社営業所事務所入口の従業員の見やすい場所に10日 間掲げなければならない。

昭和 年 月 日
鹿児島第一交通労働組合
  執行委員長 X2 殿
第一交通株式会社  
代表取締役 Y1

 当会社が、昭和51年11月5日に貴組合副執行委員長X1に対して2日間の出勤停止処分を 行ったこと、昭和51年9月24日に貴組合執行委員長X2に対して譴責処分を行ったこと、貴 組合に対して、親睦会を通じて差別扱いをしたこと並びに昭和52年2月3日午前、勤務中の 貴組合員を招集した席上及び同日午後、団交の席上、社長が発言した内容は、いずれも鹿児 島県地方労働委員会から不当労働行為であると認定されました。当会社は、その行為を深く 反省し、今後このような行為を繰り返さないことを誓約します。
5. 申立人のその余の申立てを棄却する。 
判定の要旨  1201 支払い遅延・給付差別
3411 その他の従業員の言動
従来の従業員の福利厚生等を目的とした共済会が突然解散され、新たに設立された親睦会が組合員に通勤費用の補助等をしなかったことが会社の意思に基づく不当労働行為とされた例。

1201 支払い遅延・給付差別
勤務中に会社開催の懇談会に出席した者に固定給のみ支給し歩合給を不支給としたことが不当労働行為ではないとされた例。

1400 制裁処分
3600 処分の差別
乗車記録の不実記載を理由に組合副執行委員長を出勤停止処分としたことが、従来の取扱いに比して著しく均衡を失し不当労働行為とされた例。

1400 制裁処分
裁判所への出頭のための無許可職場離脱を理由に組合委員長を譴責処分に付したことが不当労働行為とされた例。

1400 制裁処分
裁判所への出頭のための無許可職場離脱と営業車の私的使用を理由に組合員2名を譴責処分に付したことが不当労働行為ではないとされた例。

2620 反組合的言動
社長が組合員に対して懇談会及び団交の場で、組合は絶対つぶす等発言したことが支配介入であるとされた例。

4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
救済申立て後、会社を任意退職し組合員資格を喪失した者は救済の対象にならないとされた例。

4407 バックペイの支払い方法
忘年会の補助金差別の救済として、忘年会出席者の中で現在会社に在職し組合員である者に限り支給するよう命じた例。

業種・規模  道路旅客運送業(ハイヤー、タクシー業) 
掲載文献  不当労働行為事件命令集66集71頁 
評釈等情報   

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