概要情報
事件名 |
福島小野田レミコン |
事件番号 |
福島地労委 昭和53年(不)第1号
|
申立人 |
総評全国一般労働組合福島地方本部 |
申立人 |
総評全国一般労働組合福島地方本部福島支部福島小野田レミコン分会 |
被申立人 |
福島小野田レミコン 株式会社 |
命令年月日 |
昭和54年 5月19日 |
命令区分 |
一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) |
重要度 |
|
事件概要 |
賃上げの査定において組合間で差別したこと、一時金支給に当り非組合員には支給した協力金を組合員には支給しなかったことが争われた事件で、賃上げ査定の是正、バックペイ及び協力金の支給を命じ、一時金の組合間差別の是正申立てについては棄却した。 |
命令主文 |
1. 被申立人は、総評全国一般労働組合福島地方本部福島支部福島小野田レミコン分会組合員X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7及びX8の8名に対して、昭和52年に実施した賃金引上げの成績査定について、上記組合員の平均が、申立人組合員以外の者の平均と等しくなるよう再査定し、上記組合員の賃金を是正して、これによって生じた差額を支払わなければならない。 2. 被申立人は、上記申立人組合員8名に対して、昭和52年冬季一時金支給時において上記組合員以外の者に支給した協力金60,000円を支払わなければならない。 3. 申立人らのその余の申立ては、棄却する。 |
判定の要旨 |
1202 考課査定による差別
賃金引上げ査定において、会社は公平に行った結果にすぎないと主張するならば、その合理性を疎明する必要があるにもかかわらず、十分に疎明していない。組合はストを行っているので会社の生産性の向上に協力していないと主張するが、その実施時期は、分会分裂前のことであり、分会組合員のみを低く査定したことは妥当でなく、不利益取扱である。
1201 支払い遅延・給付差別
夏・冬季一時金の成績査定における組合間格差が、会社の業務運営に不可欠な時間外労働に協力しない組合の態度に行き過ぎがあり、その結果時間外労働を行ったものとの間に業績等で評価に差が生じるのはやむを得ないことであり、合理的理由にもとづくものであるとして不利益取扱いでない。
1205 別組合員に対する特別手当の支給
赤旗掲揚やワッペン着用は、組合活動として一般的にも認められていることから、非分会員のみ一時金とは別途に協力金を支給し、分会員には赤旗掲揚、ワッペン着用等を行い、営業活動等に協力していないとして支給しなかったことが不利益取扱いとされた例。
|
業種・規模 |
窯業・土石製品製造業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集65集397頁 |
評釈等情報 |
労働経済判例速報 昭和54年 9月30日 1025号(30巻26号) 21頁 
労働判例 1979年 9月 1日 322号 105頁 
|